三浦半島で釣りを楽しむ

 

釣り場はアングラーにとってたからものです。ルールやマナーを徹底しない限り、釣り場は減る一方です。違法駐車や立入り禁止エリアへの侵入は絶対にやめてください。またゴミは必ず持ち帰り、可能であれば自分以外のゴミも持ち帰るようにして釣り場を守っていきましょう

三崎港、城ヶ島、油壷、浜諸磯 釣り

三浦半島で釣れる毒魚

※対処法あり
 
海釣りをしていると、どうしても釣れてしまう毒のある魚。ここでは刺されたら危険な魚。食べたら危険な魚。噛まれたら危険な魚について説明していきます 
 

刺されたら危険な魚

 
毒魚
 
ゴンズイ
背ビレと胸ビレに鋭い毒棘を持ち、刺されると激しい痛みに襲われる。成魚は単独行動し夜釣りでよく釣れる。暗がりでよく確かめずに掴んで刺される事故が多い
 
刺されてしまったら
  • 目に見える大きな棘は可能であれば取り除く
  • 傷口から毒を絞り出すようにし消毒する
  • 痛みが弱くなるまで患部を40~45℃の湯につけ毒(タンパク毒)を不活性化させる
  • 痛みとともに吐き気等が続く場合は医療機関を受診し棘が残っている恐れがあるためレントゲン検査を受ける。診療科は医療機関の指示に従う
 

 
毒魚
 
アイゴ
元々は南西日本の浅い岩礁や藻場に分布し各ヒレの棘条に毒があるが近年、温暖化を背景に関東以北に急速に勢力を拡大していて堤防釣りや磯釣りでよく釣れる。死んだものの毒棘も危ないので絶対に陸地に放置しないこと
 
刺されてしまったら
  • 傷口から毒を絞り出すようにし消毒する
  • 痛みが弱くなるまで患部を40~45℃の湯につけ毒を不活性化させる。
  • 痛みが続く、傷口が化膿する等した場合は医療機関を受診する。診療科は医療機関の指示に従う
 

 
毒魚
 
ハオコゼ
背ビレのトゲのほか頭部のトゲにも毒がある。浅海の藻場や岩礁域にすみ、潮溜まりでも普通に見られ釣りはもちろん磯遊びでも注意を要する。夜行性で昼間は物陰に隠れてじっとしていることが多い。青森県から九州南岸までの沿岸域、瀬戸内海に分布。最大で10cmになる
 
刺されてしまったら
背びれ等に毒棘を持つオコゼに刺されると刺傷直後より激しい疼痛、しびれ、知覚麻痺、刺入部位に水疱を形成し発熱や悪心・嘔吐、下痢等が起こる。重症例では関節痛、冷汗、発汗、悪寒、呼吸困難などが起こり特にオニダルマオコゼの毒は強力で心肺機能不全、血圧低下などのショックにより死亡することもある(死亡例は通常6時間以内に起こる)傷は基本的処置として棘を確認し残っていたら除去する(通常、棘は太く硬いので皮膚内に残らない)傷口を洗浄し43℃前後のお湯に30~90分温浴する(毒は熱に不安定で疼痛緩和が期待できる)
 

 
毒魚
 
アカエイ
尾に強大な毒棘がある。トゲの両側面には逆バリ状の鋸歯(きょし)が並び触れただけで皮膚は切れ刺さると容易には抜けず抜けても傷口が大きく割けて感染症のリスクを高める。釣れたらイトを切って逃がしてやること。死んだ個体の毒棘も危ないので注意
 
刺されてしまったら

アカエイに刺された場合はすぐに海水で患部を洗浄して刺さった毒針はピンセットなどで抜き取りましょう。 アカエイの毒はタンパク性で熱に弱いため火傷しない程度のお湯に30分以上浸して痛みを和らげましょう。 この時に冷水で冷やすと痛みが倍増し逆効果です

 

 
毒魚
 
オニカサゴ
イズカサゴという別種で体側は複雑に入り組んだまだら模様に彩られ頭部に多くの皮弁を持つ。ヒレの各棘条と頭部のトゲに毒がある
 
刺されてしまったら
傷口洗浄、温水に浸して救急処置をしてください。主な症状は直後に痛みが出て腫れやしびれを伴います。 重症では吐き気、嘔吐、下痢、腹痛があることがあります。 血圧低下や呼吸困難が出現するアナフラキシーショックはまれですが初めて刺された場合でもアナフラキシーショックが起こる可能性があります
 

 
毒魚
 
ミノカサゴ
深く切れ込み美しく伸びた胸ビレと背ビレが特徴で体には赤褐色の多数の横縞を持つ。ヒレの各棘条に強い毒がある
 
刺されてしまったら

45度以上のお湯に浸けることで毒を不活性化させると少し和らぎます。 ミノカサゴ類のトゲは長く深い傷を負うことがあるので病院に行って治療した方が良いでしょう
 


 
この地域で釣れる毒魚(刺されると危険)の代表的な魚を紹介しましたが、仮に毒を持っていなくとも、エラやヒレが鋭利な魚が多数います。余程魚の扱いに慣れてない限り、魚はフィッシュグリップで掴み、針はフィッシュプライヤー等で外すのが賢明です
 
またブラックバスなど釣りあげた際に口の中に指を突っ込んだりしますが、海魚は歯が鋭利でかむ力が強い魚が多い為、絶対にしないでください
 


食べたら危険な魚

 

フグを筆頭に食す事で死の可能性がある魚を紹介します。尚このジャンルは毒に当たった場合、病院以外に処置方法が無いので割愛します
 
毒魚
 
キタマクラ
食べると「北向きの枕に寝かされる」というのがその名の由来でフグ毒を持ち食べられない。吻がやや突き出た小型のフグで体側に2本の暗色縦帯を持つことが特徴。青系の斑紋が出てる個体はいキタマクラとすぐ認識出来ますが、そうでない個体は一見カワハギに見えるので間違えて食べないようにしてください。釣りあげて鳴いたら確実にキタマクラです
 

 
毒魚
 
クサフグ
一般的に食べられないと思われているがフグ処理の有資格者がさばいた筋肉の食用は厚労省が認めている。肝臓、卵巣、精巣、腸と皮の毒は強く食べられない
 

 
毒魚
 
ヒガンフグ(アカメフグ)
体表の棘はなく小疣状のものが密集する。触るとごつごつした感じだ。断面は円形に近く全体に丸みをもつ。側面から背部は薄い褐色のなかに褐色の斑紋が密に散らばる。神奈川県三浦市三崎での呼び名。春の彼岸頃よくとれるからで三月河豚という呼び名もある。また「食べると彼岸に渡る」すなわち死んでしまうという意味合いもある
 

 
毒魚
 
イシガキダイ
体に褐色の斑点が密に分布することが名前の由来だが成長とともに斑紋は薄れ、オスの老成魚では口の周りが白くなりクチジロと呼ばれる。イシダイに似るがやや南方系で琉球列島や小笠原諸島には本種のみが分布。美味しい魚なのだが南方域の個体はもちろん本州周辺の個体でも大型になるほど毒化のリスクが高まる
 

 
毒魚
 
アオコブダイ
日本のパリトキシン様毒中毒例のうち65%を占める原因魚で長崎・高知・三重県などでの発生が多く複数名の死者を出している。喫食部位が分かっている中毒例では筋肉と肝臓がほとんど。濃青緑色を呈する大きなウロコに覆われる
 

 
毒魚
 
ハコフグ
これまでは食用OKとされていたハコフグですが近年は毒化したハコフグ個体が増えています
 

 
上記以外にも生で食べると寄生虫などいる危ない魚。また近年温暖化(海水温上昇)やサンゴの現象によりこれまで毒が無かった魚種でも一部毒化される個体が増えてきました
 
魚種判別、魚料理に長けていない限りは、きちんと魚種判別を行い、調理法を確認の上、食すよう心掛けてください
 

噛まれると危険な魚

 
毒魚
 
ヒョウモンダコ
唾液にフグ毒を持ち咬まれると危険なうえ食べても危ない。体長約10cmでその名のとおりヒョウ柄と輝青色のリングに彩られる。泳ぎは不得手で墨を持たず吸盤も小さく弱々しいが毒を持つせいか海中では逃げ隠れせずよく目立つ。熱帯性種と思われているが南日本で普通に繁殖する温帯種。海外では近縁種による死亡例がある
 

 
毒魚
 
ウツボ
毒自体は持っていませんが、鋭利な歯で噛む力が強いです。釣りあげると歯を向いて襲ってくる事があります
 

 
毒魚
 
ダイナンウミヘビ
ウツボ同様に鋭い歯を持っており、襲ってくる事があります。毒は持ってません
 

 
上記の魚以外にもフグなど噛む力が強い魚は多数いますので基本は魚を直接持たず、フィッシュグリップ等で魚を動けなくした後、フィッシュプライヤー等で針を外しましょう

更新日 2024年11月4日

著者 古田晃広