三浦半島で釣りを楽しむ

 

釣り場はアングラーにとってたからものです。ルールやマナーを徹底しない限り、釣り場は減る一方です。違法駐車や立入り禁止エリアへの侵入は絶対にやめてください。またゴミは必ず持ち帰り、可能であれば自分以外のゴミも持ち帰るようにして釣り場を守っていきましょう

三崎港、城ヶ島、油壷、浜諸磯 釣り

三崎港エギングマニュアル

こちらはエギングレッスンを受けるor受けた方に向けたコンテンツとなり予習or復習プログラムとなります
 
 
1月の釣果と2月の展望
※2024年2月4日
 
1月は20日くらいまで本当に釣れない状況が続きました。それ以降はエリア全体でアオリイカはそれなりに釣れ、私個人は3杯のアオリイカ(全てキロオーバー)が釣れました
 
2月は1~2日だけで3杯釣れましたが、これからは水温次第だと思います。水温が15度を切ってしまうとアオリイカ、コウイカ、ケンサキイカ、タコは一気に釣れにくくなります。
 
低水温で産卵回遊をするヤリイカは16度以下の水温で安定してけば2月下旬から4月上旬まで群れで入って来ることがあり、群れに当れば数釣りが楽しめます
 


三崎港で釣れるイカ
 
三崎港 エギング イカ釣り
 
アオリイカ、コウイカ(紋甲イカ、スミイカ)、ケンサキイカ、ヤリイカ、タコ(真蛸、イイダコ)。稀にスルメイカが釣れます
 
アオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカは表層からボトムまで釣れますがコウイカ、タコは基本ボトムでしか釣れません
 

イカがエギを抱く理由
捕食としてエギを抱く以外に好奇心でエギを抱くイカもいます。特に秋の好奇心旺盛なアオリイカなどこの傾向が強いです。犬や猫がおもちゃに反応して遊ぶイメージです
 
春は威嚇行為でエギを触り、そのタイミングでフッキングする事があります。産卵期間でナーバスになっているカップルのイカがメスイカを守るために行う行為と言われてます
 

エギについて
エギは大きく分けて四つの要素に分かれます。サイズ&カラー&沈下速度&沈下姿勢です。まずはサイズについて説明します
 
三崎港エギング
 
サイズ
ひと昔前は3.5号のエギあれば一年を通じ釣れるとされてましたが、エギングブームで釣り場にエギングをする人が急増した昨今、時期や狙うイカによってサイズを変えていく必要があると思います
 
実際、頑なに3.5号しか投げない人の横で2~2.5号エギを投げたら釣れるなんて事はよくあります
 
年間を通じ最も使用するのは3~3.5号です。そのサイズで反応が無い場合は2.5号→2号にサイズダウンします
 
傾向として100g以上のイカは2.5号以上のエギで釣れ易く、100g以下のイカは3~3.5号でも釣れますが、どちらかといえば1.8~2.5号のエギに反応しやすいです
 
6~7月のケンサキイカ。9~10月の新子アオリイカは1.3~2.5号のエギで釣果実績が高いです
 
 
1~4月
釣れるイカはアオリイカ、ヤリイカ、コウイカ、タコ等です。使用エギは2.5~3.5号がよいと思います
※2023年はケンサキイカの回遊あり
 
5~8月
釣れるイカはアオリイカ、ケンサキイカ、タコが釣れます。ケンサキイカは小型が多いので1.0~2.0号が釣果実績高いです。その他のイカは2.5~3.5号で狙います
 
9~12月
釣れるイカはアオリイカ、コウイカ、タコです。数は少ないですがケンサキイカも釣れます。9~10月中旬くらいまではアオリイカが小さいので2~2.5号のエギが有効ですが、10月中旬以降は3号を中心に2.5号や3.5号を投げる感じとなります
 
 
エギのカラーについて
こちらは説明事項が多数ありますのでレッスン時にお伝えします
 
 
エギの沈下速度について
ディープ(2秒以下)、ベーシック(3~4秒)、シャロー【スロータイプ】(6~10秒)。 基本はベーシックかシャローを使いますが、流れが強い時(横に大きい時)などディープを使用します
 
攻め方としてはベーシックで探りながらシャローも使ってみるとなります
 
活性が高い時はベーシック。低活性&スレ度が高いと感じた時はシャロータイプが有効とされてます。シャロータイプは基本中層を狙うエギですが、低活性時や春のアオリイカの時はボトムまで落とし、シャクリ後ゆっくりフォールさせ狙うエギングとなります
 
 
エギの沈下姿勢について
エギの沈下姿勢はエギングにおいて大変重要です。 イカはエギの沈下姿勢が水平(0度)から45度の時に抱いてくるとされます
 
エギ改造
 
上の写真のように頭を下げた状態でイカが抱いてくることはほぼありません。また0度より上に向いてしまう状態でもイカは抱いてきません
 
ディープタイプやツツイカ用のエギ、一部エギメーカーを除き、例えばヤマシタのエギ王シリーズなどは45度で沈んでいきます
 
イカの活性が高い時は沈下姿勢が早いエギに反応しやすく遅いエギは見切られ、活性が低い&スレ度が高い時はゆっくり沈むエギに反応しやすく、早く沈むエギは見切ると言われてます
 
また活性が低いイカは45度より水平(0度)の方が抱きやすいとされています
 

エギを抱くタイミング
 
三崎港 エギング
 
イカがエギを抱くのはエギがフォールしてる時とボトムステイ時です。シャクリ中に抱いてくることはまずありません
 
エギ改造
 
ボトムステイ時は上の写真のように頭を45度下げた状態となります
 

フォールについて
フォールは主にフリーフォール、テンションフォール、カーブフォールとなります
 
フリーフォールはエギにテンションを掛けない状態。テンションフォールはラインを張り、カーブフォールはフォールさせながら、ゆっくりリールを巻く。もしくはロッドをさびきます
 
イカがエギを抱いてエギを長く抱くのはフリーフォールです。エギを抱いた時にライン抵抗が無いので、そうなると言われてます。テンションフォール&カーブフォールは抱いた時にラインテンションによる抵抗で違和感を感じ、エギをすぐに離しやすいとされています
 
フリーフォール
沈下姿勢45度で狙う際に使用します。アタリが分かりにくのがデメリットです
 
テンションフォール
シャクり後にリールを巻くなり、ロッドをさびきエギにテンションを掛けた状態です。アタリが割と取りやすいですがイカがエギを離すのも早いです。遠投した時や海流が沖から岸の時はラインがたるみ易く、結果フリーフォールと同じ状況になってしまうので、その場合はカーブフォールで対応します
 
カーブフォール
シャクリ後にゆっくりとリール巻き続けイカが抱くのを待つフォールです。抱いてくるより触腕で触ってくる事が多く、釣れる時は蝕腕1本で掛かりやすいです。アタリは分かりやすいです
 

イカのアタリについて
明るい時間帯はラインを見て判断しますが、糸がふける感じが多くエギの着底や風や波でも同じようなラインの動きをするので判断は難しいです。違和感を感じたら合わせるのがよいと思います
 
夜はラインやロッドを通じてくる手元の感触でアタリを取ります。引っ張られるアタリ、コツと当たって来るアタリ、ふわっとラインが緩むアタリがあります
 
ロッドが重かったり感度が悪いロッド。太いラインですとアタリは取りにくいです
 
ロッド先端角度とラインの角度が90度くらいにするとアタリは取りやすいですがエギングは比較的シャクったら乗るシャクリ合わせが多いです
 

釣れ易い状況
エギングは状況7~8割。残りが釣り手の知識、経験とされています。釣れ易い状況が分かれば釣れる確率がぐんと上がります
 
時間帯
夜&朝まずめ&夕まずめが三崎港は釣れます。日中は難しいです。磯では昼でも釣れるのに堤防が釣れにくいのはイカの性能と釣り場環境だと思います
 
イカは魚より目が良いですが動きは魚より遅いです。捕食側でもありますが捕食される側でもあります。磯では日中は岩場などに隠れて近くを通り過ぎた小魚を捕食します。また岩に身を隠す事でフィッシュイーターから見つかりにくい状況となります
 
堤防はフラットな砂地がほとんで身を隠す場所がない為、日中の堤防に留まるメリットが少なく釣れにくいとされてます
 
海中が暗く、視界が悪くなる夜&朝、夕まずめは魚からイカを見つけるのが難しく、イカは目がよいので小魚を簡単見つけ捕食が容易に出来て活性が上がりやすいとされてます
 
夜は表層まで小魚を追う事があります。朝&夕まずめは三崎港は中層~ボトム付近で釣れる事が多いです
 
 
中潮→大潮→若潮→小潮→長潮の順で釣れるとされてます
 
 
潮止まり前後を狙う
これは防波堤(三崎港)特有かも知れませんが潮止まり前後の時間帯が統計的に釣れる事が多いです
※22時が潮止まりであれば21時~23時がベストタイム
 
明確な理由は分かってませんが潮が止まる時間帯は小魚の活性が落ち、小魚の動きが鈍くなりイカが魚を捕食し易くなるから活性が上がりやすいとも言われ、また潮が動かない時間帯はイカが移動しやすく回遊率が高くなるとも言われてます
 
大潮&中潮時はこの傾向が強くなります
※この内容は特にアオリイカにあてはまり、それ以外のイカやタコは潮止まりだから釣れると言った感じではありません
 
 
海流
海流は全くない時が稀にありますが基本はとなります。海流の動きが少ない場合はどのパターンでも問題ありませんが、エギが大きく流される海流の場合、のパターンは良いですが、それ以外は難しいです
 
それまでだった海流がに変わった時はイカの活性が上がり易いです
 
 
潮が効く場所を狙う
潮が効くという状況がどういう経緯で発生するのか分かりませんが、エギをシャクった際にエギが重く感じる場所があり(海流?潮目?密度?)。その場所がヒット率高めです。ポイント全体で効いてる時もあれば一部のポイントやレンジ(層)にだけ効いてる時もあります
 
潮が効いてる状況はずっと続く訳では無いので効いてるポイントを見つけたら、そこを徹底的に狙うと釣れる事が多々あります
 
 
潮目を狙う
潮目は海面に出るざわざわとした場所です。小魚が付いてる事が多く、それを狙うイカがいるとされてます
 
 
ベイトの有無
ベイト(小魚)が多い場所はイカが釣れやすいです
 
 
スレ度
自分が入ったポイントにエギングをする人が多数並んでる場合は、スレ度が上がり釣るのがかなり厳しいです。空いてる場所の方がイカの回遊が見込めるポイントであれば釣れる確率が上がります
 
 
夜は湾奥を狙う
夜になると湾奥のポイントに小魚が入り易く、それを追うイカが増え釣れやすくなります。うらり北条湾超低温冷蔵庫前の3番がそれにあたります。干潮時より満潮時が釣れます
 
 
超低温冷蔵庫前
 

ポイントにいるイカ
ポイントに入りいるイカは居付きのイカと、これからポイントに回遊してくるイカです
 
居付きのイカの活性が高ければすぐ釣れます。釣れる時は1投目から釣れ、大抵4~5回エギを投げれば釣れます
 
居付きイカの活性が低い場合は対低活性イカ用に攻めます。1時間やって反応が無い場合は活性があがるタイミングを待つか、イカが回遊してくるのを待ちます。ポイントを移動するのも一つの手です
 
私の場合、特に秋はランガンで活性の高いイカを探す方が釣果に繋がることが多いです。(基本、私はせっかちです)
 

イカのいるレンジ
イカは表層からボトムどこにもいますが、活性が高いイカほど表層におり低活性&スレイカはボトム付近にいるとされてます
 
朝&夕まずめは表層まで上がってくる事は少なく、中層~ボトム付近にいる事が多いです
 
夜は表層からボトムまでいますがスレてるポイントやベイトが薄い時は表層にいる事は少ないです
 

しゃくりの意味と効果
エギングにおいてのシャクリはイカへのアピールと任意の場所にエギを移動させる目的があります
 
アピール
イカにエギの存在を伝える。捕食スイッチをいれると意味でエギをしゃくります
 
イカの活性が高かったり、活性が上がりやすい時間はエギを大きく動かしアピール強め
 
低活性時や釣り場が混みスレ度が高そうな時は控えめなシャクリが釣れる気がします
 
イカにも性格があり状況関係なく激しいシャクリを好むイカもいれば、そうで無いイカもいるので、こうシャクればOKというパターンはありませんが基本三崎港はソフトにしゃくる方が釣果が出やすいと感じてます
 
 
エギの移動
任意の場所にエギを移動させるについて説明します
 
例えば表層から2mくらいの中層を探りたい時に1m4秒で沈むエギを使用したとします。キャスト後8秒で2mまで沈むのでエギをしゃくります。この際にエギをシャクリで表層まで持ち上げないといけません(仮にエギが1m上にしか運べない場合、次の8秒で3mの場所まで沈みます)
 
といったように同じレンジを攻めたい場合などは、しっかりエギを任意の場所に移動させることが重要です
 
実演
実際のシャクリ方はレッスンにてお伝えします
 

エギングにシャクリは必須!?
全くそんな事はありません。むしろシャクる事で釣れない時も多々あります
 
シャクリで反応が無く、リーディング(ただ巻き)のみやボトムずる引きにだけ反応して釣れる事が過去に何度もありました
 
またシャクリでもシャープに多数シャクリ(2~5回)するより、1回だけゆっくりと上に持ち上げるイメージでシャクると釣れる事が多々ありました。ヤリイカやケンサキイカなどのツツイカ系。コウイカやタコ。スレ度が高いor低活性、もしくは臆病なアオリイカに、ゆっくり1回シャクリは有効です
 

底の取り方
一般的にはエギを投げてテンションフォールで沈め、エギが着底した秒数を計測するとされてます
※20秒で着底した場合、1m4秒で沈むエギなら水深5m
 
但しこのやり方はエギが着底したかの確認が分かりにくい上に海流の状態で沈下速度は変化するので正確に測ることが難しいです
 
私のやり方は堤防(三崎港)限定の方法でしかありませんがお伝えします
 
堤防は足元の水深と遠投したポイントの水深はそれほど差異がありません(あっても1~2m)
 
その原理を利用して足元にフリーフォールでエギを落としカウントを取ります。足元の場合はエギの着底はほぼ分かりますので、その秒数で水深を計ります。足元が4mだった場合は遠投したポイントは5~6mくらいと考えていいと思います
 
実際のエギングで確実にボトムまで沈めたい場合、1m4秒で沈むエギで6mであれば24秒で着底しますがプラス数秒足したカウントなら確実に着底します。30秒カウントでボトムです
 
また水深マップやグーグル検索で知りたい場所の水深を調べると大抵情報が出ます
 
「勝浦港 水深」と言った感じです
 

実際の攻め方
Bはベーシック、Sはシャロー
 
・Bエギで中層
活性が高くスレ度が低いアオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカが釣れ易いです
 
・Bエギでボトム付近(2種類)
最も釣れ易い釣法です。コウイカ、タコは基本ボトムでしか釣れないのでこの手法がメインとなります。アオリイカもよく釣れます。低活性&朝まずめ&夕まずめのケンサキイカ、ヤリイカもこのやり方が向いてます
 
一つ目の手法はボトムからのシャクリでエギにテンションフォールを掛けフォールでアタリを待ちつつ、着底後はボトムステイでイカを狙います
 
二つ目の手法はボトムステイのみで狙います。エギをシャクった後、フリーフォールでエギを着底させます。フリーフォールでエギはほぼ真下に落ちるので1回のキャストで一つ目のやり方より数多く攻めれます。低活性&スレ度が高い時に効果的
 
・Sエギで中層
高活性だけどスレ気味の時に釣れ易く、アオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカが狙えます。フリーテンションなのでアタリは分かりにくくシャクった時に乗りやすいです
 
・Bエギでボトムずる引き
コウイカ、タコ類が釣れ易く、低活性やスレ度が高い&シャクリに嫌悪感を感じてるアオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカに効果的です
 
・Bエギで中層をただ巻き
比較的活性が高いながらもシャクリに嫌悪感を持つアオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカに効果的
 
実際のやり方はレッスンでお伝えします
 
ポイントに着いたら高活性のイカがいるとされる中層から狙っていきますが(朝、夕まずめは中層。夜は表層)、一投投げた時点で潮が効いてなかったり、潮や時間帯が微妙であったり、混雑でスレ度が高そうと感じた場合はボトム付近を中心に攻め、一応中層も攻めてみる。という感じにすると良いと思います
 
エギは投げる度にイカが寄るとも言われますが、スレ度が深化していく側面もあるので早めの勝負。状況にあった攻め方が重要です。そういう意味でも釣れ易い状況を知ってる知らないは釣果にかなり影響します
 

最後に
三崎港で一年を通じ釣れるのはケンサキイカ→タコ→アオリイカ→コウイカとなりますが、ここでははアオリイカの狙い方をまとめます
 
時間帯は朝まずめが一番釣れ、次が夜の時間帯で潮止まりを起点に前後1時間(計2時間)。夕まずめは朝まずめ&夜より若干落ちますが釣れます。日中はかなり厳しいです
 
夜は中層&ボトムどちらも釣れますが、明るくなってからボトム付近が釣れます
 
新月週より満月週の方が釣果が出やすいです
 
潮は払い潮が釣れ易いです。一番釣れる時期は9~10月中旬くらいまで。イカのサイズが50~200gが多い為、エギのサイズは2~2.5号が釣れ易いです。レンジは中層が釣れ易いですがボトムでも釣れます
 
10月中旬以降はシーバスやクロムツなどが湾内で回遊し出し多少釣れにくくなります。フィッシュイーターがいる場所や時間帯はボトム付近で釣れます。基本12月初旬くらいまで秋イカが楽しめ、10月中旬以降に釣れるサイズは100~300gが多くなります。エギサイズは2~3号がよいです
 
三崎港のアオリイカは水温14度以下にならなければ釣れるので水温が下がる真冬でも釣ることは出来ますが、かなり渋いです。三崎港の水温はこちらで確認してください
 
4月以降はキロオーバーを狙える春イカシーズンとなりますが、去年辺りからかなり厳しいです。個人的にはむしろ6~7月の方が釣れるイメージがあります。キロオーバーは出にくいですが600~900gくらいの大物が釣れます。エギは3号がよく釣れます
 
どうしてもアオリイカが釣りたい人は三崎港では無く城ヶ島の磯がおすすめです。ホテル下というポイントは比較的根掛かりが少ないです

更新日 2024年4月15日

著者 古田晃広