静岡の釣り場
爪木崎の釣り場
※灯台裏の地磯へ下る区間は傾斜があり、外洋からのうねりを受けやすい場所です。波が磯へ乗る海況では入らないでください
静岡県下田市須崎の爪木崎は、須崎半島の南東端に突き出した岬で、白い爪木埼灯台の裏側に外洋へ面した地磯が広がっています。駐車場から灯台までは遊歩道を歩き、灯台の裏側から磯へ下る形になります。駐車場から釣り座まではおおむね10~15分ほどですが、最後の下降路は観光用の平坦な遊歩道とは性格が変わり、磯靴や荷物のまとめ方まで含めた準備が必要です
爪木崎の魅力は、岸から近い範囲に岩盤、沈み根、ハエ根、ハナレが連続し、磯際から水深が出る場所までそろっていることです。潮通しも良く、メジナやブダイのフカセ釣り、イシダイ・イシガキダイの底物釣り、イサキや青物を狙うカゴ釣り、ヒラスズキのルアー、アオリイカのエギングまで組み立てられます。魚種を広く狙える一方、根が複雑なので、仕掛けを沖へ入れればよい釣り場ではありません
長年いろいろな磯を見ていると、こうした岬では沖の潮目より先に「足元からどの方向へ根が伸びているか」を見たくなります。水深のある地磯ほど沖へ投げたくなりますが、実際には根際、沈み根の肩、サラシの切れ目、ワンドから払い出す流れのような近距離の変化が魚の付き場になります。爪木崎も同じで、最初から遠投するより、足元から沖へ地形を一つずつ探った方が釣りを組み立てやすいタイプです
もう一つ先に見るのが風向きです。外向きへ潮が走っていても、横風が強ければフカセやエギングはラインが取られ、カゴやメタルジグも狙った筋へ入れにくくなります。逆に風を背負える角度が作れると仕掛けを遠くへ運びやすくなるため、釣り座を決める時は潮と風をセットで考える方が爪木崎の広い磯を使いやすくなります
主な釣りポイントと特徴
爪木崎で竿を出す中心は、爪木埼灯台の裏側から下る地磯です。海底は岩盤を主体に、ハナレ、沈み根、ハエ根が入り組み、磯際から10m近い水深がある場所もあります。潮の向きによって根の周囲にヨレや払い出しが生まれ、上物、底物、回遊魚で狙う線が変わります
釣り座は魚種ごとに使いやすい方向が変わります。メジナやイサキなら仕掛けを流せる方向、イシダイなら根の位置とラインの角度、ヒラスズキならサラシへルアーを通せる向き、アオリイカならエギを沈めた後に根をかわして回収できる角度が重要になります
灯台裏の地磯
灯台裏の地磯は爪木崎の中心となる釣り場です。有料駐車場から灯台方向へ遊歩道を進み、灯台の裏側から磯へ下ります。徒歩時間そのものは長くありませんが、最後は傾斜があるため、クーラーボックスやバッカンを片手に持ったまま無理に下りるより、両手を使える状態を作った方が安全です
磯際から水深が出る場所では、メジナのフカセ釣りやイシダイの底物釣りを近距離から始められます。メジナはサラシの下、根の際、沖へ払い出す潮、沈み根の上を通る筋が狙い目です。コマセを広く撒くより、仕掛けと同じ流れへ効かせ、根の上から深みに入る境目を通す方が魚との距離を詰めやすくなります
底は岩盤と根が多いため、イシダイ・イシガキダイでは根掛かりを前提に仕掛けを組みます。沖の深場だけでなく、足元から続く根の切れ目、沈み根の際、潮が根へ当たって反転する場所も狙い目です。投入後に仕掛けを大きく引きずると根掛かりが増えるので、着底した位置から必要以上に動かさず、エサを置く感覚で狙います
沖向きの潮筋
岬の沖向きは潮が動きやすく、イサキ、ソウダガツオ、イナダなどの回遊魚を狙いやすい場所です。カゴ釣りでは沖の潮へ仕掛けを乗せ、魚が回るタナを探ります。イサキは表層だけを見る魚ではないため、反応がなければウキ下を変えながら中層から深めまで探る方が効率的です
青物はベイトの寄り方で距離とレンジが変わります。ショアジギングでは最初から底だけを取らず、表層、中層、底付近を分けて探ります。鳥が差す、ベイトが水面で追われる、潮目に小魚が寄るといった変化が出た時は、メタルジグだけでなくミノーやシンキングペンシルも使いやすくなります
マダイをカゴ釣りで狙う場合も、潮通しの良い沖向きが候補になります。根が多い磯なので、深く取りすぎて仕掛けを根へ入れ続けるより、潮に乗せて根の外側を通す方がトラブルを減らせます。潮が速い時は重い仕掛けで無理に止めず、投入位置を変えて狙う筋を合わせます
沈み根・ハエ根周り
爪木崎は沈み根やハエ根が連続するため、根の周辺が釣果を左右します。メジナは根の真上だけでなく、潮が根へ当たって横へ抜ける場所や、サラシと本流がぶつかる境目に出やすくなります。仕掛けを深く入れて根掛かりを増やすより、潮へなじませながら根の肩をかすめるように流す方が狙いやすい場面があります
イシダイ・イシガキダイでは、根の位置を把握してから仕掛けを置きます。磯際から深さがある場所では足元も捨てず、竿下、数m先、沖の沈み根周辺と距離を変えて探ります。根が多い場所ほど魚を掛けた直後の主導権が重要で、ラインを根へ回されないよう強めのタックルが向きます
ヒラスズキでは、同じ根がサラシを作る壁になります。波が根を越えて白く広がり、その泡が切れて本来の海面へ戻る場所をミノーやシンキングペンシルで通します。サラシが厚く残る場所と、引き波で沖へ泡が伸びる筋を分けてルアーを入れます
ワンド側の変化
爪木崎には外向きの速い潮だけでなく、根や地形によって流れが緩むワンド状の場所があります。こうした場所は外向きが速すぎる時に魚が入りやすく、メジナやアオリイカを狙う候補になります。ワンドの中央だけでなく、入口側で本流と緩い流れが接する場所や、沈み根の外側を通る筋が狙い目です
アオリイカはベイトが入るワンド、沈み根の際、流れの境目を回ることがあります。外向きの潮が速くエギが落ち着かない時でも、ワンド側ならエギを沈める時間を作りやすくなります。流れが緩い場所では沈下時間を長めに取り、ワンド入口で流れが効く場所ではエギを横へ流して根の外側を通します
狙える主な魚種
メジナ、ブダイ、イシダイ、イシガキダイ、イサキ、マダイ、ヒラスズキ、イナダ、ソウダガツオ、クロダイ、アオリイカ
この釣り方で釣れます
ウキフカセ釣り
メジナ、ブダイ、クロダイ
→ 爪木崎のフカセ釣りでは、サラシの下、沈み根の際、根と根の間を抜ける潮、沖へ払い出す流れを狙います。メジナはコマセに浮くこともありますが、根が多いので仕掛けを深く入れすぎると根掛かりが増えます。最初は浅めから入り、エサの残り方やウキの反応を見ながら少しずつタナを下げる方が地形へ合わせやすくなります
カゴ釣り
イサキ、マダイ、イナダ、ソウダガツオ
→ 沖向きの潮へ仕掛けを入れ、回遊するタナを探る釣りです。イサキは中層から深め、青物は表層から中層まで広く探ります。潮が速い時は同じ場所へ投げ続けず、仕掛けが根へ寄らず沖へ抜ける投入点を探します。磯際に人がいる場合は大きなカゴ仕掛けを振り込まず、十分な後方スペースを取れる釣り座で行います
底物釣り
イシダイ、イシガキダイ
→ 岩盤と沈み根が多い爪木崎では、底物釣りは地形を読むことが中心になります。磯際から水深がある場所では足元も狙い、沖では沈み根の際や深みに落ちる境目へ仕掛けを置きます。サザエやウニなど現地の漁業権対象物を採ってエサに使うことはできません。持参したエサを使い、根掛かりに備えて予備仕掛けを多めに用意します
ショアジギング
イナダ、ソウダガツオなどの青物
→ 潮目、ベイトの動き、岬先端から伸びる流れを狙います。メタルジグは着水後に表層から底までレンジを変え、反応のある層を探します。根が立つ場所では底を取り続けず、着底後すぐに立ち上げて根の上を通します。青物は短時間だけ射程へ入ることもあるため、ベイトが寄った時にすぐ投げられるようルアー交換を済ませておくと動きやすくなります
ヒラスズキルアー
ヒラスズキ
→ 波が岩礁へ当たってできるサラシと、その外側の切れ目を狙います。フローティングミノー、シンキングミノー、シンキングペンシルなどを使い、泡の中を横切らせるだけでなく、サラシが沖へ払い出す流れへルアーをなじませます。根の際で出た魚を沖側へ向けられるよう、ドラグを緩めすぎず最初の数秒で根から離すことを意識します
爪木崎で釣果を狙う
爪木崎で最初にやることは、沖へ投げることではなく、潮の向きと足元の根の形を見ることです。潮が沖へ素直に抜けているならカゴ釣りや青物のルアーを組み立てやすく、根に当たって横へ流れるならフカセ釣りの狙いができます。潮が速すぎる時は外向きに固執せず、根の裏やワンド側にできる緩い流れを使います
メジナは冬から春に良型を狙いやすく、サラシと潮が接する場所、沈み根の上、根際から沖へ出る払い出しが本命になります。エサ取りが多い時はコマセを一点へ集中させず、足元と本命筋を分けて魚を散らす方法も使えます。仕掛けは潮へなじむ重さを優先し、重いガン玉で無理に沈めるより、ハリスまで自然に入る状態を作ります
イサキは水温が上がる時期にカゴ釣りで狙いやすく、日中だけでなく朝夕の光量が変わる時間も狙い目です。潮が速い場所ではウキ下だけを変えるより、流す方向と投入距離を変えて群れの通る線へ近づけます。メジナ狙いのフカセに混じることもあるため、沖へ伸びる潮が出た時は少し深いタナも探ります
イシダイ・イシガキダイは根の複雑さを生かす魚です。底物は沖の距離だけで優劣が決まらず、竿下の深み、根の切れ目、潮が当たる壁のような地形も本命になります。根掛かりした仕掛けを長時間引っ張り続けるより、魚が付く線を数投で絞り込み、同じ場所へエサを入れ直す方が釣りを続けやすくなります
青物は回遊待ちになるため、潮目とベイトが重要です。外洋側で潮が走り、小魚が水面に出ている時はルアーとカゴの両方で好機になります。何も変化がない時間に重いジグだけを投げ続けるより、表層、中層、底付近を分けて探り、それでも反応がなければメジナや底物へ釣りを切り替える方が爪木崎の地形を生かせます
ヒラスズキは根の沖側でサラシが広がり、波が引く方向へ泡が流れる場所が狙い目です。ミノーを速く巻き切るより、サラシの流れへ入れた後に巻きを緩め、泡と一緒にルアーを動かす時間を作ります。同じサラシでも波ごとに広がり方が変わるため、白泡が厚く残るタイミングと薄くなるタイミングを使い分けます
エギング情報
爪木崎でエギングをするなら、アオリイカが主な対象です。外向きは潮が速く、沈み根とハエ根も多いため、港内のように毎投底まで沈めてから大きくシャクる釣りより、潮へエギをなじませながら根の上を通す方が扱いやすくなります。ワンド、沈み根の外側、潮が緩む筋、ベイトが寄る場所を狙い、流され方を見ながら投入点を変えます
春は3.5号前後、秋は2.5~3号前後が使いやすく、潮が速い時は通常沈下、緩いワンドや浅い根の上ではシャロー系も使えます。大切なのは号数より、エギがどこを通っているかを把握することです。根が立つ場所で長く沈めすぎると根掛かりが増えるので、着水からのカウントを決め、中層から根の上へ落とすようにレンジを調整します
外向きで横流れが強い時は、ラインを張って無理にエギを止めると浮き上がりやすくなります。少し上流側へ投げ、ラインを送りながらフォールさせ、沈み根の手前から回収へ入る方法が使いやすくなります。アタリが出ない時も大きなシャクリを増やすだけでなく、1~2回のシャクリから長めにフォールさせたり、潮に乗せて横へ流したりすると、警戒したアオリイカへ長くエギを見せられます
ワンド側ではベイトが溜まる場所と、外向きの流れが入り込む入口を見ます。秋の小型は手前の根周りまで入ることがあるため、沖だけで回収せず、足元近くまでレンジを外さずに通します。春は深い側や沈み根周辺を意識し、根へ潜り込む前にエギを持ち上げる余裕を残して狙います
夜のエギングでは、日中よりアオリイカが浮く場面もあるため、毎投ボトムまで落とす必要はありません。表層から中層にベイトが見える時は、エギを沈めすぎず、浅いレンジを横へ通してから少しずつ深くします。反応が出たカウントと潮の向きを覚えておくと、同じレンジを再現しやすくなります
施設・アクセス情報
爪木崎には有料駐車場があり、普通車は500円、バイクは200円です。駐車場は200台規模で、観光シーズンには釣り人だけでなく灯台や水仙を目的に訪れる人も多くなります。駐車場から灯台までは遊歩道で移動でき、灯台裏の地磯まではおおむね10~15分ほどです
駐車場そばにはトイレ、売店、休憩所があります。釣り座となる地磯にトイレはないため、磯へ向かう前に済ませておく方が動きやすくなります。冬の水仙の時期は観光客が増え、駐車場や遊歩道も混みやすくなります。早朝から長時間釣る場合でも、観光利用と重なる時間帯を考えて荷物をまとめておくと移動しやすくなります
駐車場
爪木崎の有料駐車場を利用できます。普通車500円、バイク200円で、200台分の駐車スペースがあります。釣り座のすぐ横まで車で入れる地磯ではなく、駐車後は遊歩道を歩いて灯台方向へ向かいます
磯釣りではバッカン、クーラー、タモ、ロッドケースなど荷物が増えやすいので、背負える装備にまとめて両手を空けておくと下降路で荷物を引っ掛けにくくなります。車内へ魚やエサを放置すると臭いが残りやすいため、帰り用の密閉袋や水も用意しておくと後片付けがしやすくなります
トイレ
トイレは爪木崎駐車場のそばにあります。灯台裏の地磯へ下りるとすぐに戻れる距離ではないため、入磯前に利用しておく方が安心です。長時間の磯釣りでは、駐車場を離れる前に飲み物や必要な道具もまとめておくと往復を減らせます
所在地
静岡県下田市須崎
アクセス
車では国道135号から須崎・爪木崎方面へ進み、爪木崎の有料駐車場を目指します。駐車後は爪木埼灯台方向へ遊歩道を歩き、灯台裏から地磯へ下ります。駐車場から釣り座までは10~15分ほどが目安ですが、荷物量や足場の状態で時間は変わります
公共交通では伊豆急下田駅から爪木崎行きのバスを利用し、終点の爪木崎で下車できます。バス停から観光エリアまでは近いものの、磯釣り用のバッカン、クーラー、タモまで持つ場合は移動量が増えるため、荷物を絞った方が歩きやすくなります
注意事項
爪木崎は下田市地先の共同漁業権区域に含まれ、イセエビ、アワビ、トコブシ、サザエ、バテイラ、ハマグリ、タコ、ナマコ、ウニ、ワカメ、カジメ、アラメ、ヒジキ、ホンダワラ、ノリ、テングサ、フノリなどが漁業権の対象です。磯で見つけた貝類やウニ、タコ、海藻を自由に採ることはできません。釣りのエサとして現地採取する行為も避け、必要なエサは持参してください
灯台裏の地磯へ向かう途中や海岸側では、ロープ、柵、通行止め表示が設けられる場合があります。崩落や海況によって通れる範囲が変わることがあるため、閉鎖された経路へ入らず、その場の表示に従ってください
安全面
爪木崎は外洋のうねりを受ける地磯です。波高だけでなく周期が長いうねりにも注意が必要で、数分に1回だけ大きなセットが入ることがあります。釣り座へ下りる前に高い場所から海面を見て、波が濡らしている岩、白波が乗る高さ、帰路へ波が回り込む場所を把握します
足元は岩盤で、濡れた場所や海藻が付いた場所は滑りやすくなります。ライフジャケット、磯靴またはスパイク系の滑りにくい靴、グローブを使い、夜釣りではヘッドライトと予備ライトを用意します。魚を掛けた後に低い岩へ降りるのではなく、最初から取り込みまでできる釣り座を選びます
マナー
爪木崎は自然公園と観光地を兼ねた場所で、灯台や海岸を歩く人も多くいます。遊歩道ではロッドやタモを横に持たず、仕掛けを付けたまま人の近くを歩かないようにします。磯ではコマセ袋、ハリス、針、エサの容器を残さず、切れたラインも持ち帰ります
フカセ釣りでコマセを使った後は、持参した水などで足元の汚れを流し、魚の内臓や残ったエサを遊歩道や駐車場へ捨てないようにします。観光客と釣り人が同じ駐車場と遊歩道を使う場所なので、釣り座だけでなく移動中の道具の扱いまで含めて周囲へ配慮することが大切です
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