テンタコはワーム素材だから釣れるのではなく、独特のフォール姿勢と小さなシルエットが釣れる理由と考えています
ZinBayのテンタコは、アジングタックルでも扱える小型エギです。ライトゲームで知られる「りんたこ」こと岩崎林太郎さんが関わっていることから、りんたこエギと呼ばれることもあります
テンタコ45、55、60を実際に使い、ケンサキイカやムギイカを釣ることができました。そのため、テンタコは釣れないエギではありません
ただし、ヤマシタのナオリーシリーズと比較した場合、現時点では実釣性能が同等、またはテンタコの方が上とは感じていません。王道のナオリーはフォール姿勢、操作した際の安定感、ラインナップ、カンナ、個体差の少なさなどがよく作り込まれています
テンタコにはナオリーとは異なる反応を引き出せる可能性がありますが、ケンサキイカやムギイカを釣るための中心的なエギとして考えるなら、今のところナオリーを優先します
りんたこさん、ごめんなさい
それでも、新興メーカーが発売した最初の小型エギとして考えれば、よく作られています。完成度が低くて使えないのではなく、長年ツツイカ用エギを作ってきた老舗メーカーには、まだ性能面で追いついていないという評価です
テンタコとは
テンタコは、ヒイカ、ケンサキイカ、ムギイカ、ヤリイカなどの小型イカを狙うミニエギです
メーカーは、アジングタックルなどの軽量タックルで扱えるエギとして開発しています。45mmにはスロー、ノーマル、ファストフォール、55mmにもスロー、ノーマル、ファストフォールが用意されています
60mmにはドロッパーの60D、スロータイプの60S、ノーマルタイプの60があります。60Dはイカメタル仕掛けの上側へ付けるドロッパーなので、単体でキャストして沈める45、55、60S、60とは用途が異なります
通常のエギは硬質ボディや布巻きボディですが、テンタコは頭側に軟らかいワーム素材を使っています。後半部分には強化ABS樹脂が使われ、ワーム素材と硬質素材を組み合わせて姿勢を作る構造です
テンタコ45・55・60は何号に相当する?
テンタコは号数ではなく、ボディの長さをmmで表記しています
エギの1号は約1寸で、長さに換算すると約30.3mmです。単純にボディの全長を号数へ変換すると、次の数値になります
テンタコ45
45mm÷30.3mm=約1.485号
実質的には1.5号相当です
45Sは2.9g、45のノーマルは3.1g、45FFは3.3gです。小型のヒイカや、接岸したばかりの小さなケンサキイカを狙いやすいサイズになります
テンタコ55
55mm÷30.3mm=約1.815号
実質的には1.8号相当です
55Sは5g、55のノーマルは5.2g、55FFは5.6gです。45よりも飛距離を出しやすく、ムギイカやケンサキイカを広範囲に探る場合に使いやすくなります
テンタコ60
60mm÷30.3mm=約1.98号
実質的には2号相当です
60Dは6g、60Sは6.2g、60のノーマルは7gです。60Dはドロッパー用で、60Sと60はケンサキイカやイカメタルなどを想定したモデルです
サイズだけを見ると45は1.5号、55は1.8号、60は2号と考えて問題ありません。ただし、一般的なエギはカンナを含まないボディ長やメーカー独自の基準で号数が決まっている場合があります
換算値は、ほかのエギとシルエットの大きさを比べるための目安です
テンタコのフォールスピードを浴槽で測定
テンタコのシャロータイプとベーシックタイプを、浴槽に湯をためてスイムチェックしました
シャロータイプのフォールスピードは、おおよそ1m6秒前後です。ベーシックタイプは1m3〜4秒ほどで沈みました
家庭の浴槽による簡易的な測定なので、メーカーが管理した試験環境で測った数値ではありません。水温、ラインの太さ、スナップの重さ、個体差、投入時の姿勢によって結果は変わります
海水は真水より浮力が大きいため、実際の海では浴槽よりも少し遅く沈む可能性があります。潮が流れている場所では横方向へ押されるため、着底までの時間はさらに長くなります
それでも、シャロータイプが1m6秒前後、ベーシックが1m3〜4秒という結果は、実釣でレンジを考える際の基準にはなります
シャロータイプは表層から中層を長く見せたい状況、潮が緩い港内、活性が低く速いフォールを嫌うイカに向いています。ベーシックは少し深い場所や、広いレンジを効率よく探す場合に使いやすい設定です
フォール姿勢は約60度とかなり深い
一般的なエギのフォール姿勢は、水平を0度とした場合、頭を下げた約45度前後が基準になります
テンタコを浴槽で確認すると、フォール姿勢は45度より深く、約60度に見えました。かなり頭を下げた状態で沈むエギです
この深いフォール姿勢は、テンタコが釣れる理由の一つであると同時に、釣れない理由にもなります
通常の45度前後で沈むエギへ反応しないイカが、60度近い角度で沈むテンタコには反応する可能性があります。普段見慣れているエギとは角度と沈み方が異なるため、別の刺激を与えられるからです
反対に、水平に近い姿勢や45度前後の安定した姿勢を好むイカに対しては、頭下がりが強すぎる場合があります。イカが追尾してきても抱く位置を決められず、エギの近くまで来て見切ることも考えられます
フォール姿勢が独特だから釣れるのではなく、その姿勢が当日のイカの好みと合えば釣れます。合わない状況では、ナオリーなどの標準的な姿勢で沈むエギの方が反応を得やすくなります
深いフォール姿勢が釣れる理由
テンタコの約60度というフォール姿勢は、縦方向の動きを強く見せられます
港内へ入ってきたケンサキイカやムギイカは、横方向へ逃げるベイトだけでなく、弱って沈む小魚や小型甲殻類にも反応します。頭を下げて沈むテンタコは、弱った小さな生物が海底方向へ落ちていく動きを演出しやすいエギです
シャロータイプでゆっくり沈めれば、深い角度を保ちながら長い時間見せられます。常夜灯の明暗境界や、イカが浮いている状況では、この組み合わせが効くことがあります
軽くロッドを持ち上げた後、ラインを張りすぎずにフォールさせると、テンタコらしい姿勢が出やすくなります
大きくシャクって横へ飛ばすよりも、小さく持ち上げて落とす操作、ドリフト、デッドスローのただ巻きに向いています。メーカー側からも、強くシャクらずフォールやドリフトで使う方法が紹介されています
深いフォール姿勢が釣れない理由
約60度のフォール姿勢は、エギの動きに変化を付けられる反面、使える状況がやや限定されます
ツツイカは常に頭下がりのエギを好むわけではありません。活性が低い時ほど水平に近い姿勢を好むこともあり、テンションを掛けた状態でゆっくり漂うエギへ反応が集中する場面があります
テンタコはフリーフォールさせると頭を下げやすいため、イカが水平姿勢を好んでいる時は違和感になる可能性があります
また、深い角度で沈むエギは、同じ距離を移動しても横方向への移動量が少なくなります。イカの目の前を横切らせたい場合や、一定のレンジを長く引きたい場合は、操作方法を変えなければなりません
フォール角度を浅くしたい時は、ラインを少し張ったテンションフォールへ切り替えます。それでも反応がなければ、テンタコのカラーを変更するより、フォール姿勢の異なるナオリーへ交換した方が結果につながることがあります
上半身がワームで下半身ががプラスチック
テンタコは全体がワーム素材で作られているわけではありません
頭側の前半部分がワーム素材で、カンナ側の後半部分には強化ABS樹脂が使われています。メーカーは、この組み合わせによって姿勢のバランスを作っていると説明しています
個人的には、ワームの軟らかさによってイカへ違和感を与えにくくすることが目的なら、全体をワーム素材にするか、反対に後半部分まで軟らかくした方が考え方としては分かりやすいです
イカがエギを抱いた時、腕が触れるのは頭部分だけではありません。ボディの中央から後半まで包み込むように抱くため、軟らかい部分が前半だけでは、ワーム素材の恩恵を受けられる面積が限られます
一方、全体をワーム素材にすると、カンナを固定する強度、シンカーの保持、飛行姿勢、フォール姿勢、ボトムステイ時の安定感を作ることが難しくなります
後半をABS樹脂にしたのは、カンナ側の強度を確保し、約60度のフォール姿勢や着底時の姿勢を維持するためではないかと想像しています
ワームの食感を最優先した構造というより、硬質ボディだけでは作りにくい水の受け方や発光、引き抵抗を狙った構造と考える方が合っています
ワーム素材だから抱いている時間が長いとは感じない
テンタコの特徴として、ワーム素材による軟らかさが挙げられます
ただし、実際に使った感想では、ワーム素材だからイカが長時間抱き続けるとは、それほど感じませんでした
イカがエギを離す理由は、ボディの硬さだけではありません。ラインテンション、エギの姿勢、カンナへ触れた感覚、アングラーがアタリに反応して動かしたことなど、複数の要因が関係します
ワーム部分へ触れた瞬間に違和感が少なくなる可能性はありますが、それだけで抱いている時間が大きく延びるとは考えにくいです
軟らかいボディがツツイカに対して決定的な性能になるなら、ボディ全体が軟質素材で作られているヤマシタのおっぱいスッテは、現在よりもさらに高く評価されているはずです
おっぱいスッテが釣れないという意味ではありません。長年使われている実績のあるスッテですが、軟らかい素材だけで釣果が決まらないことを示す分かりやすい例です
テンタコも同じで、ワームだから釣れるのではなく、サイズ、フォール速度、姿勢、発光、通すレンジが合った時に釣れます
テンタコでケンサキイカとムギイカは釣れた
実釣では、テンタコを使ってケンサキイカとムギイカを釣ることができました
釣れた以上、テンタコを釣れないエギと評価することはできません。小型イカが接岸している場所へ適切なレンジで通せば、しっかり抱いてきます
反応が出やすかったのは、大きくシャクった後ではなく、小さくリフトしてフォールさせた時や、潮へ乗せてゆっくり流した時です
アジングロッドのソリッドティップを使うと、イカが触った時の重さや、ティップが戻らない変化を確認しやすくなります。強く合わせる必要はなく、ロッドへ重さを乗せるようにゆっくり引けばカンナへ掛かります
ただし、同じ釣り場、同じ時期にナオリーと使い比べた印象では、テンタコの方が安定して反応を出せるとは感じませんでした
テンタコでしか反応しない場面はあると思いますが、最初に投げるエギとしての信頼度は、今のところナオリーが上です
ナオリーとの比較
ヤマシタのナオリーは、ヒイカ、ケンサキイカ、ヤリイカ、ムギイカなどを狙うライトエギングで長く使われています
テンタコと比較して感じるナオリーの強みは、フォール姿勢が安定していること、操作に対する動きが分かりやすいこと、サイズと沈下速度の選択肢が多いことです
投入してから沈め、軽くシャクり、フォールさせるという基本操作だけでも、狙ったレンジを通しやすくなっています
テンタコは独特の60度近いフォール姿勢とワームヘッドを持っていますが、その個性が毎回プラスに働くわけではありません。通常のエギへ反応するイカに対しては、ナオリーの方が素直に抱かせやすい印象があります
テンタコを一軍の中心としてナオリーと入れ替えるより、ナオリーで反応しない時に別の姿勢と波動を試すためのエギとして入れておく方が使いやすいです
ナオリーで反応を確認し、抱き切らないイカや、同じ動きへ慣れたイカにテンタコを入れる。この順番なら、テンタコの個性を生かせます
テンタコ45の特徴と使いどころ
テンタコ45は45mmで、約1.5号相当です
45Sが2.9g、ノーマルが3.1g、45FFが3.3gと軽く、ヒイカや小型のケンサキイカに合うサイズです
シルエットが小さいため、イカのサイズが小さい時や、反応はあるものの大きなエギを抱き切らない時に使いやすくなります
一方、3g前後しかないため、風が強い日、潮が速い場所、水深のある釣り場ではレンジを把握しにくくなります。横風でラインが膨らむと、テンタコがどこまで沈んでいるのか分からなくなることがあります
無風または弱風、港内、常夜灯周辺、水深の浅い場所で使うと45の特徴を生かしやすくなります
最初の1本として選ぶなら45のノーマルです。浅い場所や表層狙いなら45S、潮が速い時や少し深いレンジへ入れたい場合は45FFを使います
テンタコ55の特徴と使いどころ
テンタコ55は55mmで、約1.8号相当です
55Sが5g、ノーマルが5.2g、55FFが5.6gあります。45よりも飛距離を出しやすく、風や潮の影響を抑えながら操作できます
三浦半島でケンサキイカやムギイカを狙うなら、45より55の方が使いやすい場面が多くなります
5g前後あれば、アジングロッドでもルアーの重さを感じやすく、フォール中のライン変化も確認しやすくなります。イカのいるレンジが分からない時に広く探る用途にも向いています
ただし、小型のヒイカや当年生まれの小さなケンサキイカには、55mmのシルエットが大きく見える場合があります。イカが触るだけで掛からない時は、45へ落とす判断が必要です
45と55のどちらか1本だけを選ぶなら、ヒイカ中心では45、ケンサキイカやムギイカ中心では55を選びます
テンタコ60の特徴と使いどころ
テンタコ60は60mmで、約2号相当です
60Dは6gのイカメタル用ドロッパー、60Sは6.2g、60のノーマルは7gです
60Dはオモリとして単体で沈めるモデルではなく、イカメタル仕掛けの上側へ取り付けます。45や55と同じ感覚で選ぶモデルではありません
60Sと60は、55より大きなシルエットと重量があり、ケンサキイカやイカメタルを想定した設定です。陸っぱりで使う場合は、ムギイカやケンサキイカのサイズが大きい時、遠くの明暗境界を狙う時、潮へ負けずに沈めたい時に候補になります
小型イカへ使うには存在感が強いため、数釣りで万能に使えるサイズではありません。45と55で届かない場所や、速いフォールへ反応する場面で使うモデルです
テンタコで釣れるカラー
テンタコはグロー系の反応が良いと感じています
夜のケンサキイカやムギイカは発光するエギへ反応することが多く、広い範囲からテンタコを見つけさせる目的で使えます。常夜灯から離れた暗い場所、濁りが入った時、イカのレンジが深い時は、グロー系から始めます
グロー系は発光が強すぎると見切られる場合があるため、毎投ライトを当てて強く蓄光させる必要はありません。反応がない時は蓄光時間を短くし、弱く光らせる方法もあります
三浦半島では、グロー系だけでなくケイムラカラーの反応が良好です
まずめ、常夜灯周辺、澄み潮では、紫外線へ反応するケイムラ系が使いやすくなります。特にケンサキイカは、強く発光するカラーよりケイムラへ反応が集中する日があります
三浦半島で最初にそろえるなら、暗い場所と深いレンジ用にグロー系、常夜灯周辺と澄み潮用にケイムラ系の2本が基準です
テンタコの釣れる使い方
テンタコは、強くシャクって左右へ大きくダートさせるエギではありません
キャスト後に狙うレンジまで沈め、ロッドをゆっくり持ち上げてからフォールさせます。フォール中はラインを張りすぎず、テンタコ本来の深い姿勢を出します
反応がなければ、ラインを張ったテンションフォールへ変更します。フリーフォールとテンションフォールでは角度と沈むコースが変わるため、同じカラーでもイカの反応が変わります
潮が動いている時は、軽くリフトした後に流れへ乗せます。ラインを巻きすぎず、テンタコを横方向へゆっくり流すと、ケンサキイカやムギイカが触ることがあります
ただ巻きを使う場合は、ハンドルを速く回しません。テンタコが同じレンジを外れない程度の速度で、ゆっくり巻きます
アタリは強く引き込むだけではありません。ティップが少し重くなる、ラインが張る、フォールが止まる、ロッドを持ち上げた時に重さが残るといった変化が出ます
違和感があったら、強く合わせずにロッドをゆっくり持ち上げます。小型イカは身切れしやすいため、ドラグを締めすぎない方が掛けた後のバラシを抑えられます
テンタコが釣れないと感じる原因
テンタコが釣れないと感じる原因の一つは、一般的なエギと同じ感覚で強くシャクり続けることです
テンタコは小型で軽く、フォールとドリフトを中心に使う設計です。強くシャクると狙っているレンジから外れたり、軽いボディが急激に動きすぎたりします
2つ目は、45を風や潮の強い場所で使うことです。エギの位置が分からないまま操作しても、イカのいるレンジを通せません。条件が合わない場合は55や60へ上げる必要があります
3つ目は、ワーム素材へ期待しすぎることです。軟らかいから抱き続ける、ワームだから硬質エギより釣れると考えると、実釣結果との差が大きくなります
4つ目は、約60度のフォール姿勢が当日のイカに合っていないことです。テンタコへ付いてくるものの抱かない場合は、カラーだけでなく、標準的な45度前後で沈むエギへ変更します
5つ目は、イカがいない場所でテンタコだけを投げ続けることです。どのエギでも、イカが回遊していない時間やレンジでは釣れません
テンタコの性能だけで結果を判断せず、回遊、潮、レンジ、サイズ、フォール姿勢まで含めて考える必要があります
テンタコは買うべきか
テンタコは釣れないエギではありません
実際にケンサキイカとムギイカを釣ることができ、独特のフォール姿勢や小さなシルエットが効く場面もあります
ただし、現時点でナオリーを超える実釣性能があるとは感じていません。ナオリーとテンタコのどちらか1種類だけを持ってケンサキイカやムギイカを狙うなら、ナオリーを選びます
テンタコの価値は、王道の小型エギと同じ動きをすることではありません。約60度の深いフォール姿勢、頭側のワーム素材、小さなシルエット、アジングタックルで扱える軽さによって、別の反応を引き出せる点にあります
新興メーカーのエギとしては頑張っていますが、老舗メーカーが長年積み重ねてきた完成度には、まだ届いていない印象です
だからこそ、今後の改良には期待できます。フォール姿勢の選択肢、ボディ素材の配置、ワーム部分の範囲、サイズごとの安定感が進化すれば、ナオリーと並ぶ小型エギになる可能性があります
現在の評価は、一軍の中心ではなく、ナオリーで反応しない時に投入する変化球です
グロー系とケイムラ系を1本ずつ持ち、ケンサキイカやムギイカが普段のエギを追わない時に使う。テンタコは、そのような役割で力を発揮するエギです
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