静岡県には、釣ったアジ、イワシ、サッパ、タカベ、小サバなどを生きエサにして、ヒラメ、カンパチ、イナダ、ワラサ、スズキ、ハタ類を狙える釣り場があります
泳がせ釣りで重要になるのは、大型魚が回遊する場所であることだけではありません。現地で生きエサを確保できること、生きエサを泳がせられる水深と釣り座があること、仕掛けを流しても周囲の釣り人や係留船へ干渉しないことが必要です
静岡県内では、新居弁天海釣公園・表浜名湖、焼津親水公園ふぃしゅーな、沼津周辺の利用可能な堤防や護岸で具体的な釣果が確認されています。用宗港周辺と広野海岸公園の釣り護岸も、小アジや小サバが回遊した日に泳がせ釣りを組み立てられる候補です
狙える魚は場所によって変わります。浜名湖ではヒラメやカンパチ、焼津ではクエ、オオモンハタ、ヤイトハタ、沼津周辺ではカンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどが候補になります。釣り場の水深、底質、潮の速さに合わせて仕掛けとタナを変えることが釣果につながります
静岡の泳がせ釣りで狙える時期
静岡県で岸から泳がせ釣りを行いやすい時期は、夏から晩秋にかけてです
7月頃からアジ、イワシ、小サバ、サッパなどの小魚が港内へ入り始め、サビキ釣りで生きエサを確保しやすくなります。ベイトの回遊に合わせてカンパチ、イナダ、ワラサ、スズキ、ハタ類なども岸近くへ寄ります
8月〜10月は泳がせ釣りを組み立てやすい時期です。新居弁天海釣公園ではアジやサッパを使ってカンパチやヒラメ、ふぃしゅーなではハタンポや小魚を使ってハタ類、沼津周辺ではタカベを使って青物を狙えます
11月頃までは水温が高い年もあり、イナダ、ワラサ、カンパチ、ヒラメの回遊が続くことがあります。ただし、生きエサになる小魚が岸から離れると泳がせ釣りを始められないため、大型魚の釣果だけでなく、サビキ釣りの状況も確認する必要があります
春にもヒラメやスズキを狙える可能性はありますが、アジやイワシを現地で確保できない日が増えます。購入した生きアジを持ち込める場所もありますが、運搬中に弱りやすく、施設によって生きエサの持ち込みや泳がせ釣り自体が制限されています
新居弁天海釣公園・表浜名湖
新居弁天海釣公園は、浜名湖と遠州灘をつなぐ今切口付近にある釣り場です。潮通しが良く、アジ、イワシ、サッパ、小サバ、ヒイラギなどの小魚が回遊します
現地で釣ったアジやサッパを泳がせ、カンパチやヒラメを狙えます。表浜名湖では15cm前後のアジを使った泳がせ釣りで、40cmを超えるヒラメが釣れた実績があります
青物を狙う場合は、ウキ仕掛けで中層を泳がせます。アジやサッパを鼻掛けにし、潮へ乗せながらカンパチ、イナダ、ワラサの回遊を待ちます
ヒラメを狙う場合は、胴突き仕掛けや捨てオモリ式を使い、生きエサを海底から50cm〜1m程度浮かせます。船道の斜面、砂地と石の境目、潮が少し緩む場所が狙い目です
今切口周辺は潮が速く、軽いオモリでは生きエサが流され続けます。底を狙う場合は10号〜20号前後を基準にし、潮の速さに合わせて重さを変えます
潮が速い時間にウキ仕掛けを使うと、短時間で隣の釣り座まで流れることがあります。混雑時は広く流さず、正面から潮下へ仕掛けを管理できる範囲に収めます
生きエサは最初から確保できるとは限りません。サビキ釣り用の竿と泳がせ釣り用の竿を用意し、小魚が釣れてから泳がせ仕掛けを投入する流れが効率的です
焼津親水公園ふぃしゅーな
焼津親水公園ふぃしゅーなには、釣りに利用できるフィッシングゾーンがあります。港内には小アジ、イワシ、小サバ、ハタンポ、ネンブツダイなどが入り、現地で確保した小魚を使って泳がせ釣りを行えます
ふぃしゅーなの泳がせ釣りでは、青物だけでなくハタ類が有力な対象魚です。現地で釣ったハタンポを泳がせ、ヤイトハタ、クエ、オオモンハタが釣れた実績があります
ハタ類は岸壁際の基礎、海底の障害物、魚礁、岩やブロックが絡む場所に付きます。生きエサを遠投するより、足元から少し沖の底へ入れ、障害物の近くを狙う釣り方が合います
仕掛けは胴突き式や捨てオモリ式が向いています。生きエサを海底から50cm〜1.5m程度浮かせ、根の周辺で泳がせます。オモリが根掛かりした場合に備え、オモリ部分だけ細い糸へ結ぶ捨てオモリ式にすると仕掛け全体を失いにくくなります
クエや大型のハタが掛かると、直後に岸壁の基礎や海底の穴へ向かいます。竿を置いたまま離れず、アタリが出たら魚の重さを確認して強く竿を立てます
道糸はPE3号前後、リーダーは10号〜16号前後を基準にし、大型を想定する場合はさらに太くします。細いサビキ用の道糸やハリスでは、根へ入る魚を止められません
ふぃしゅーな周辺で泳がせ釣りを行えるのは、利用が認められたフィッシングゾーンです。焼津港の作業岸壁や荷役区域へ移動して釣ることはできません
沼津周辺の利用可能な堤防・護岸
沼津周辺は駿河湾の水深が岸近くまで迫る場所が多く、カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどを泳がせ釣りで狙える地域です
沼津周辺の特徴は、タカベを生きエサに使えることです。足元へ少量のアミエビを入れ、小針のサビキ仕掛けでタカベを確保し、そのまま青物狙いへ切り替えます
タカベは活発に泳ぎ、青物へのアピールが強い生きエサです。鼻掛けにしてウキ仕掛けで中層から表層を泳がせると、カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどが反応する可能性があります
青物が水面近くで小魚を追っている場合は、ウキ下を浅くします。表面に変化がない場合は、中層から少しずつタナを下げ、反応する深さを探します
沼津周辺では岸近くから水深があるため、生きエサを遠くへ投げなくても回遊コースへ入る場合があります。足元から沖へ伸びるカケアガリ、潮目、潮がぶつかる場所を狙います
大型の青物やシイラが掛かる可能性があるため、磯竿3号〜4号、3000番〜5000番クラスのリール、PE2号〜3号前後を基準にします。足場が高い場所では取り込み用のタモ網も必要です
沼津周辺の泳がせ釣果は、具体的な堤防名が公開されていない場合があります。場所を推測して立入禁止の漁港や作業岸壁へ入らず、現在も利用が認められている堤防、護岸、海岸を選びます
用宗港周辺
用宗港周辺では、サビキ釣りで小アジや小サバが釣れる時期があります。生きエサを現地で確保できた日は、青物、スズキ、ヒラメを狙う泳がせ釣りへつなげられます
港内で青物を狙う場合は、港口方向や潮が動く場所へウキ仕掛けを入れます。小アジや小サバを鼻掛けにし、中層を泳がせます
ヒラメを狙う場合は、船道の斜面や砂地へ胴突き仕掛けを入れます。生きエサが海底へ張り付きすぎないよう、ハリスの長さとオモリの位置を調整します
用宗港は係留船とロープが多く、生きエサを自由に泳がせると船の下やロープへ入り込む可能性があります。ウキを遠くまで流さず、仕掛けを回収できる範囲で管理します
用宗港周辺では、小魚が釣れていても大型魚の回遊が入っていない日があります。水面で小魚が逃げる動き、鳥の動き、潮目、サビキに掛かった魚の傷などを確認すると、捕食魚が入っているか判断しやすくなります
広野海岸公園の釣り護岸
広野海岸公園には、釣りに利用できる護岸があります。用宗港の作業岸壁とは異なり、利用範囲が分かりやすい場所です
アジ、小サバ、イワシなどが回遊している時期は、サビキ釣りで生きエサを確保し、青物やスズキを狙う泳がせ釣りを組み立てられます
沖側の潮が動く場所ではウキ仕掛け、海底付近を狙う場合は胴突き仕掛けを使います。水深と潮の速さを確認し、生きエサが必要以上に流されない重さへ調整します
釣り護岸はサビキ釣り、投げ釣り、ルアー釣りなどの利用者も多い場所です。泳がせ仕掛けは生きエサが横へ移動するため、混雑時に広く流すことはできません
生きエサが隣の釣り座方向へ泳ぎ始めた場合は、早めに回収します。ウキの位置だけでなく、水中の生きエサが動いている方向まで意識する必要があります
静岡の泳がせ釣りで使える生きエサ
静岡県内で泳がせ釣りに使いやすい魚は、アジ、イワシ、サッパ、小サバ、タカベ、ヒイラギ、ハタンポ、ネンブツダイです
アジはヒラメ、青物、スズキ、ハタ類まで幅広く使えます。泳ぎが弱くなりにくく、魚種を限定せず狙える生きエサです
イワシは魚へのアピールが強い反面、弱りやすい魚です。針を刺す位置を浅くし、確保した後はエアポンプ付きの容器へ移します
サッパと小サバは青物狙いに使いやすく、浜名湖などで数を確保できる場合があります。活発に泳ぐため、ウキ仕掛けで中層を探る釣りに向いています
タカベは沼津周辺の青物狙いで有力です。カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどを狙う場合に使えます
ハタンポやネンブツダイは、焼津周辺でハタ類を狙う生きエサになります。岸壁際や海底の障害物周辺へ入れ、クエ、オオモンハタ、ヤイトハタなどを狙います
生きエサをバケツへ詰め込みすぎると酸欠になります。夏は水温も上がりやすいため、エアポンプを使用し、弱った水を定期的に交換します
生きエサの針への付け方
青物をウキ仕掛けで狙う場合は、鼻掛けが使いやすくなります。生きエサの鼻の硬い部分へ針を通すため、泳ぎを妨げにくく、潮へ乗せやすい方法です
ヒラメを底付近で狙う場合は、背掛けも使えます。背ビレの少し前へ浅く針を刺し、生きエサが底から離れて泳ぐようにします
ハタ類を足元で狙う場合は、背掛けまたは鼻掛けを使います。障害物が多い場所では、生きエサが自由に泳ぎすぎると根掛かりするため、ハリスを長くしすぎないことが必要です
針を深く刺すと生きエサが弱ります。背骨や重要な器官を傷つけないよう、皮と硬い部分だけへ浅く刺します
エサが弱って動かなくなった場合は、早めに交換します。大型魚が近くにいても、生きエサが海底へ倒れた状態では反応が落ちます
ウキ泳がせ仕掛け
ウキ泳がせ仕掛けは、カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラ、スズキなど、中層から表層を回遊する魚を狙う仕掛けです
磯竿3号〜4号、3000番〜5000番クラスのリール、道糸またはPEライン、遊動ウキ、オモリ、ハリス、泳がせ針を組み合わせます
ウキ下は釣り場の水深と対象魚に合わせます。最初は中層を基準にし、反応がなければ1m〜2mずつ変えます
青物が水面で小魚を追っている時は浅く、目立った動きがない時は深くします。底へ下げすぎると、生きエサが海底や障害物へ入り、根掛かりすることがあります
潮へ流す場合は、ウキが見える距離だけでなく、隣の釣り座との間隔を確認します。仕掛けが流れすぎたら回収し、同じ場所から流し直します
胴突き・捨てオモリ仕掛け
胴突き仕掛けと捨てオモリ仕掛けは、ヒラメ、クエ、オオモンハタ、ヤイトハタなど、海底付近にいる魚を狙う場合に使います
オモリを海底へ置き、その上で生きエサを泳がせます。生きエサが底から50cm〜1.5m程度浮くよう、ハリスの位置を調整します
ヒラメを狙う場合は砂地、船道の斜面、カケアガリへ仕掛けを入れます。ハタ類を狙う場合は岸壁の基礎、岩、ブロック、魚礁などの近くを狙います
根掛かりが多い場所では、オモリを結ぶ糸だけ細くします。オモリが引っ掛かっても、その部分だけ切れるため、生きエサと針を回収できる可能性が高くなります
大型のハタ類を狙う場合は、竿を手に持つか、すぐに対応できる位置へ置きます。竿から長く離れると、アタリに気付いた時には魚が根へ入っています
エレベーター仕掛け
エレベーター仕掛けは、先にオモリだけを投げ、後から生きエサを付けたハリスを道糸へ滑らせる仕掛けです
生きエサへ投げる衝撃を与えにくく、遠い場所まで弱らせずに送り込めます。青物、ヒラメ、スズキなどを狙えます
一方で、生きエサが道糸に沿って動くため、潮や風の影響を受けます。混雑した海釣り施設や護岸では、隣の仕掛けと絡みやすくなります
エレベーター仕掛けを使う場合は、左右に十分な間隔があり、道糸の方向を管理できる釣り座を選びます。新居弁天海釣公園などの混雑時には、胴突き仕掛けやウキ仕掛けの方が扱いやすい場合があります
ヒラメの狙い方
ヒラメは海底付近から生きエサを狙います。アジ、ヒイラギ、小サバなどを胴突き仕掛けで泳がせ、砂地、船道、カケアガリへ入れます
ヒラメのアタリは、生きエサが急に暴れた後、竿先がゆっくり引き込まれる形で出ることがあります。最初の動きだけで合わせず、魚の重さが竿へ乗るまで待ちます
アタリが出た後にラインを緩めると、生きエサを離す場合があります。竿を手に持ち、一定の張りを保ちながら本アタリを待ちます
魚の重さが続いたら、竿を大きく振り上げず、力強く立てます。掛けた後は海底へ戻さないように巻き上げます
青物の狙い方
カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどの青物は、アジ、イワシ、サッパ、小サバ、タカベを使って中層から表層を狙います
小魚が水面で逃げている場所、潮目、港口、潮がぶつかる場所が狙い目です。鳥が集まっている場合も、ベイトが追われている可能性があります
青物のアタリは急にウキが沈み、リールからラインが出る形で出ます。魚が走り始めたら、ラインの緩みを取ってから合わせます
ドラグを緩めすぎると、魚が走り続けて隣の仕掛けや障害物へ入ります。糸を切られない範囲で魚の動きを止められる強さに設定します
ハタ類の狙い方
クエ、オオモンハタ、ヤイトハタなどは、海底の岩、ブロック、岸壁の基礎、魚礁の周辺に付きます
アジ、ハタンポ、ネンブツダイなどを胴突き仕掛けで泳がせ、障害物の少し手前へ入れます。根の中へ直接落とすと、生きエサが入り込み、釣る前に根掛かりします
ハタ類は生きエサを食った後、すぐに根へ戻ります。アタリが出たら長く待たず、魚の重さを確認して竿を立てます
掛けた直後の数mが重要です。強い竿と太いラインで海底から離し、魚の頭を沖または上方向へ向けます
泳がせ釣りで釣果を伸ばすコツ
最初に生きエサを確保できるか確認します。大型魚の仕掛けだけを準備しても、現地で小魚が釣れなければ泳がせ釣りを始められません
サビキ釣りで小魚が釣れたら、その魚が何に追われているかを確認します。傷が付いている、足元で突然散る、水面から跳ねるなどの動きがあれば、大型魚が入っている可能性があります
生きエサが落ち着いて泳いでいるだけで反応がない場合は、タナを変えます。青物は表層から中層、ヒラメとハタ類は底付近を狙います
同じ生きエサを長時間使わず、泳ぎが弱くなったら交換します。元気な魚ほど水中で大きく動き、大型魚へ存在を伝えます
魚を掛けた後に備え、タモ網を組み立てた状態で置きます。大型魚が水面へ浮いてから準備を始めると、ラインブレイクや針外れにつながります
注意点とマナー
泳がせ釣りは、生きエサが予想外の方向へ泳ぐため、サビキ釣りや投げ釣りより広い範囲を使います。混雑時はウキを広く流さず、隣の仕掛けと交差しない範囲で行います
漁港では係留船、ロープ、漁具、船道へ仕掛けを入れません。生きエサが船の下へ入った場合は、引っ掛かる前に回収します
釣り場によっては泳がせ釣りが禁止されています。清水港海づり公園と熱海港海釣り施設では、施設ルールで泳がせ釣りが認められていません。ほかの施設でも利用条件が変更される場合があるため、釣行前に確認します
生きエサとして確保した魚を余らせた場合は、海へ戻すか適切に持ち帰ります。岸壁や駐車場へ放置してはいけません
切れたライン、サビキ仕掛け、針、エサの袋、飲食物のゴミは持ち帰ります。泳がせ釣りでは太いラインや大型の針を使うため、放置すると人や鳥への危険が大きくなります
まとめ
静岡県で岸から泳がせ釣りを行う場合は、新居弁天海釣公園・表浜名湖、焼津親水公園ふぃしゅーな、沼津周辺の利用可能な堤防や護岸が中心になります
新居弁天海釣公園では、アジ、イワシ、サッパ、ヒイラギなどを使ってヒラメやカンパチを狙えます。潮が速いため、ウキ仕掛けと胴突き仕掛けを状況に合わせて使い分けます
ふぃしゅーなでは、アジやハタンポを使い、クエ、オオモンハタ、ヤイトハタなどのハタ類を狙えます。掛かった直後に根へ入るため、太いラインと強い竿が必要です
沼津周辺ではタカベやアジを使い、カンパチ、イナダ、ワラサ、シイラなどの青物を狙えます。岸近くから水深がある場所では、遠投せず中層を泳がせても回遊魚へ届く可能性があります
用宗港周辺と広野海岸公園の釣り護岸は、小アジや小サバが回遊した日に青物やスズキを狙う候補です
静岡の泳がせ釣りで釣果を得るためには、大型魚の情報だけでなく、生きエサを確保できる場所と時期を選ぶことが重要です。狙う魚に合わせてタナと仕掛けを変え、掛けた魚を止められる道具を準備することで、ヒラメ、青物、ハタ類とのやり取りに対応できます