夜のエギングは難しい?
見えない?ライトは?
ケイムラは釣れる?

普段明るい時間帯にエギングをしてる人にとって夜のエギングは多少ハードルが上がるかも知れません。新月週や雨や曇り時の磯やサーフを除けば完全に真っ暗という状況では無いものの堤防でやっていても視界はかなり悪くキャストしてもエギが何処に着水したか分からない。シャクっていてもエギの現在位置が分からない。ラインが見えないからラインでアタリが取れないなどデメリットがありますが、実はこれらは経験値で克服出来ます
マイエリアの三浦半島・三崎港は一年中エギンガーに溢れ、また磯などに比べるとイカが然程多くない為、スレてしまいがちで明るい時間帯にイカを釣るのは秋でも難しい状況となります(朝&夕まずめは除く)。そうなるとどうしても暗くなってからがイカを釣るチャンス増大します。また地域差関係無くイカは夜になった方が捕食活動が活発になり(特に満月週)、表層まで餌(エギ)を追うので視界によるエギングの難しささえ克服できれば釣果が期待出来るのです
誤解を恐れずに言えば盲目の方は視覚以外の五感が優れているのは視界以外の感覚を研ぎ済まし生活しており夜の釣り(エギング)でも視覚以外の感覚を使っていると、おのずと色々な事が感覚で分ってきます。その感覚は最終的には明るい時間帯のエギングにおいても活躍出来るのです
私は日中のエギングもたまに行います。その際はラインを見てアタリを観察しますが、やっていて思ったのはエギが近くになる時は別として普段ラインにアタリが出るのって相当大きいアタリの事がほとんどでアタリというより既にイカがエギを抱いて走り出し、そのラインを動きを認識してる感じで小さなアタリは意外とラインには出ません。またラインには出ないアタリでも夜に鍛えた五感で気付ける事が多々あります。そういう意味でも夜のエギング、すなわち視界に頼らないエギングを習得する事はエギングのスキルアップにも繋がるのです
今回は夜のエギングにおいてのキャストから回収までどうやってエギを認識するか。アタリはどのようにとるか。ライトで海面を照らすメリットデメリット。日中に釣れるとされるケイムラエギは夜でも釣れるのか。諸々解説していきます
キャスト

完全な暗闇の中でエギングをする場合はキャストをしてもおそらくどの方向に飛び、何処に着水したか分からないと思います。但しそのような状況でエギングをする人はかなり少なく、月明かりや外灯、街の灯りが多少ある状況下でエギングをする人がほとんどだと思います
但し日中ほどエギが飛んでいた方向や着水時点は分かりにくいです。まずは自分がどの方向にキャストするかバックスイングした時のロッドの方向を確認します。精度の高いキャストをすれば、その方向に対角線上にエギは飛んでいくはず。次は飛距離です。エギの大きさ&重さ、風向きや風速でエギの飛距離は異なります。慣れてくるとエギの大きさ&重さ、風向きなどで自分がエギをどれくらい飛ばせるか認識出来てきます。その見当が付けば自分のエギがどの辺りに着水するか分かってくるので、その場所を見ていればいいのです
尚キャスト精度、真っすぐ飛ばす&エギの飛距離にムラがない。この二点が上手に出来ない人は苦労します。但しエギングに限らずルアーフィッシングキャスト精度が釣果に直結する上で絶対に必要なスキルです。夜エギングはそれが如実に出ます。精度の高いキャストをすればエギの着水ポイントは認識出来ます
エギの位置

慣れるまで少し苦労します。慣れてしまえば、おおよそ何処にエギがあるか分かって来ます。最初はエギの比重を高くする事で練習のするのも有りだと思います。3号もしくは2.5号のエギに2g程度のシンカーを付けてカーブフォールなりテンションフォールを掛ける事でエギの所在地が分かるようになります。ラインが見えない状況下で手元に伝わる感覚を研ぎ澄ませていく訓練はエギの着底やアタリが分かるようになるので是非会得すべきスキルだと思います
外灯などある場所ではロッドの先端とラインの角度である程度、エギの場所が分かりますが出来れば視覚で認識するより手感度の精度を上げていくべきだと思います
アタリの取り方
カーブフォールやテンションフォールですとアタリが分かり易いです。この場合ロッドはティップにアタリが出るソリッドタイプが分かり易いです。ティップにアタリは出ますが目視で無くても手元にアタった感触があります。また2g程度のシンカーを付ける事で更に分かり易くなると思います
フリーフォールで狙う場合は反響感度でアタリを取るチューブラータイプのロッドがアタリが取り易いです。チューブラーでもソリッドでも高価である必要はありませんが可能な限り高感度のロッドを使う事でアタリが取れるようになります
ライトを照らす

イカがエギを追ってきてるか結構な頻度で海面にライトを照らす人がいますが個人的にはNG行為だと思っています。同じ灯りでも常夜灯のように固定されてるライトは問題無いですが、それまで暗かった海面を急にばっと照らすのは手前にいたイカを散らす&スレさせる原因になるからです
イカがエギを抱くタイミングで多いのが沖側と手前(岸側)です。沖で抱くのはイカはエギが着水した時からエギに注目しているので沖で掛かり易い状況となります。手前で抱くのはイカが獲物(エギ)を追い詰めたと勘違いするからそうです。またコウイカなど動きがトロいイカはエギを捉えきれず、どんどん手前に寄ってきます。そんな好条件をライトを照らす事で散らしたり、スレさせたりするのは本当に勿体ないです
私はポイントに入り最初だけ海水の濁り&ベイトがいるかのチェックの為に水面にライトを照らしますが、あとは大きいイカが掛かりタモ入れが必要な時だけライトで水面を照らします。また高頻度で水面をライトで照らすエギンガーの近くには入りません。また後から入ってきて、それをやるエギンガーがいたら移動します。それくらい水面をライトで照らすのはマナー違反なのです
夜のケイムラは釣れるか

個人的にはケイムラだから釣れると言うよりクリア系のエギだから釣れてるんじゃないかと思う事が多いです。一般的にクリア系のエギはケイムラの商品が多いです。非クリア系よりナチュラル系であるクリア系はナチュラルだから釣れる気がします。月も出ていない&近くに外灯が状況下ではケイムラエギは紫外線が無いのでケイムラ発光しません。ですがそのような状況でもケイムラエギばかり釣れるのはクリア系だからこそのような気がします
但し満月週の月が明るい夜。エギがしっかりケイムラ発光しているな時にケイムラエギで爆発する時があります。これは確かにケイムラ効果なのかも知れません満月週はイカは夜になると捕食活動が活発になるので、それも理由かも知れません
中層も攻めてみる
イカは日が暮れると浮いてきて表層まで餌(エギ)を追います。明るい時間帯は確かに底付近で釣れる事が多いですが、暗くなってからは、まずは表層~中層に高活性なイカがいないかチェックしてから底付近を攻めるべきだと思います
特に水温が18度以上あると尚更中層で釣れる事が多いです。ベイトが表層付近にいる時も表層~中層でよく釣れます。中層エギングを詳しく知りたい人はこちらを参照ください
夜はただ巻きも有効
夜は何故かただ巻きエギングがよく釣れます。秋はアオリイカを求めイカ漁師が多数出船しますが夜のみしか漁をせず、全て曳エギを使いただ巻きのみでイカを沢山釣ります。それくらいただ巻きエギングは夜によく釣れるのです
明るい時間帯は正直ただ巻きでほぼ釣れず、少しシャクリを入れてカーブフォール(ただ巻き)すると結構釣れますが、巻くだけのエギングは何故か釣れません。特に磯やサーフ、ゴロタ浜で試して欲しいです。常にラインを張ってるのでアタリは取り易いです。堤防では混雑時にシャクリに飽和状態になっているイカに対し、ただ巻きが効果的な時が多いです。ただ巻きエギングについて詳しく知りたい方はこちらを参照ください
最後に

視覚に頼らないナイトエギングは最初こそ難しく感じますが慣れれば特に手元感覚の精度が上がり、見えて無くとも水中の情報が頭に浮かぶようになります。時間的にもイカが釣れ易く、また日中仕事をしている人は夜なら空いてるという人も多いので、夜のエギングは本当におすすめです
夜のエギングでエギング精度を上げておくと日中のエギングが簡単に感じます。むしろ見え過ぎて少し戸惑うくらいです(笑)。但し危険度は日中に比べ物がありません
女性は一人で行くのは避けた方がいいと思います。磯やサーフ、ゴロタ浜は強風時&高潮時は絶対に避けましょう。雨の日も足元がかなり滑りますので安全対策はばっちり行ってください。海難事故になっても夜は釣り人が少なく、また視界が悪いので見つけて貰う事が難しいので、かなり危険です。あと霊感体質の人は曰くつきの場所は避けた方がいいでしょう。私は21時以降は絶対に堤防以外でエギングはしません
更新日 2025年4月20日
著者 古田晃広