静岡の釣り場
黒根岬の釣り場
※ウノクソはロープを使って下る地形です
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取にある黒根岬は、溶岩が海まで流れ込んで形成された岬で、黒い岩盤が海へ張り出す地磯です。岬には北側から平床、甚左衛門、ゾレ、ウノクソと呼ばれる磯場があり、それぞれ海への向き、岩盤の傾斜、潮の当たり方が異なります。陸上の斜面が海中まで続く場所が多く、岸から近い範囲でも水深が出やすいのが特徴です
黒根岬ではメジナやブダイを狙うウキフカセ釣り、イシダイやイシガキダイを狙う石物釣り、イサキや青物を狙う遠投カゴ釣り、カサゴやムラソイなどを狙うロックフィッシュ、ヒラスズキ、アオリイカを狙うエギングなどができます。水深がある外洋向きの地磯で潮が動きやすく、磯際、沈み根、沖の潮目まで狙う距離を変えながら釣ることができます
黒根岬は駐車場所から磯までの距離自体は長くありませんが、一般的な堤防や護岸とは性格が異なります。岩場へ向かう途中には急な崖があり、磯場には海側へ傾斜する岩盤もあります。釣り道具を片手に持ったまま歩くより、両手を使える状態で背負える荷物にしておく方が移動しやすい場所です
黒根岬のポイントについて
黒根岬では、北側の平床、中央部の甚左衛門、その南側のゾレ、西側のウノクソで地形が変わります。平床は平らな溶岩流が海へ向かって緩やかに傾き、甚左衛門は黒根岬を代表する外向きの磯場です。ゾレは甚左衛門の南側、ウノクソはさらに西側に位置します
黒根岬の海底は、陸側の斜面がそのまま海中へ続くような地形になっており、岸から沖へ向かって水深が増します。浅い岩礁帯だけを狙う磯ではなく、足元の根、岩盤の落ち込み、中距離の海底、沖の潮まで使い分けられるため、狙う魚に応じて仕掛けを入れる位置を大きく変えられます
平床
平床は黒根岬の北側にある磯場で、平らな溶岩流が海へ向かって緩やかに傾いています。幅のある岩盤から竿を出せる場所があり、黒根岬の中では釣り座を取りやすい場所です。南西方向から風が吹く時には岬の地形によって風を避けやすく、メジナ、ブダイ、イシダイなどを狙えます
平床は海へ向かってなだらかに下る見た目ですが、海中まで同じように緩やかな浅場が続くわけではありません。岸近くから水深が出る場所があり、正面にはハエ根や岩礁の変化があります。イシダイやイシガキダイを狙う場合は沖だけでなく、足元からハエ根周辺まで近距離も探ることができます。遠投する場合は沖の深い場所へ仕掛けを入れられるため、近距離と沖を分けて探る釣りが合います
ウキフカセ釣りでは磯際だけにコマセを入れ続けるのではなく、沖へ払い出す流れや、速い潮と緩い潮が接する場所も狙えます。黒根岬は潮が走る場所なので、軽い仕掛けで入りにくい時はガン玉やウキの浮力を調整し、仕掛けとコマセが離れすぎないように流すことが大切です。メジナだけでなく、ブダイなど底寄りを回る魚も狙えます
石物狙いでは足元の根際から沖まで探る幅があります。沖だけに仕掛けを固定すると手前の根を使う魚を逃すため、最初から遠投だけに絞らず、磯際、ハエ根の外側、中距離、沖側へと投入位置を変える方法が使えます。イシガキダイが足元に寄ることもあるため、近距離では根に潜られる前に魚を浮かせられるタックルが必要です
甚左衛門
甚左衛門は黒根岬の中央部に位置する磯場です。北側に平床、南側にゾレがあり、外海へ向いた釣り座から潮の動く沖を狙えます。メジナ、ブダイ、イシダイ、イサキ、イナダなどが対象になり、ウキフカセ釣りから底物、遠投系の釣りまで組み立てられます
メジナ狙いでは、磯際から沖へ伸びる流れ、潮がぶつかってできるヨレ、仕掛けの速度が変わる境目を使います。黒根岬は水深があり潮が走るため、表層だけを流すよりも、魚の反応に合わせて中層から深いタナまで探る釣りが向いています。コマセが沖へ流される時は、仕掛けだけを手前に残さず、投入位置を変えて同じ流れへ入れていきます
イシダイやイシガキダイでは、海底の岩礁や落ち込みを狙います。黒根岬では大型のイシダイが釣れた例があり、底物狙いでは沖だけでなく足元側にも仕掛けを入れられます。根が荒い場所では仕掛けを引きずって探すと根掛かりが増えるため、着底した位置の底質を見ながら投入点を変える方が扱いやすくなります
沖では小魚が寄った時に回遊魚が入ることがあります。イナダやソウダガツオなどを狙う場合は、潮目や水面の小魚、鳥の動きを見ながら遠投カゴやルアーを入れます。沖へ向かう潮が出ている時は、仕掛けを遠投した距離だけで判断せず、潮に乗せて魚の通る筋へ入れることが重要です
ゾレ
ゾレは甚左衛門の南側に位置する磯場です。平床とは海への向きが異なり、北東寄りの風が吹く時には岬の南側が風を避けやすくなる地形です。外海側の潮を使える釣り座で、メジナを狙うウキフカセ釣りや、イシダイなどの底物、回遊魚を狙う釣りに対応します
海底は岬全体と同じく岩盤の斜面が海中へ続き、沖へ向かって水深が増す形です。ウキフカセ釣りでは磯際だけに仕掛けを固定せず、沖へ出る流れや潮の境目まで探ります。潮が速い時間は仕掛けが表層だけを滑らないように調整し、付けエサを狙うタナまで入れていきます
ヒラスズキはサラシが広がる条件で狙える魚です。ミノーやシンキングペンシルを使い、白泡の中だけでなくサラシの切れ目、払い出し、岩礁の横を通します。波が高いほど釣りやすいという考えで海側へ近づく場所ではなく、安全に立てる海況の中でサラシが残る場所を狙う釣りになります
ウノクソ
ウノクソは黒根岬の西側にある磯場です。平床や甚左衛門とは進入する方向が異なる地形で、黒根岬の中でも入磯の難度が上がります。北東寄りの風では南側のゾレとともに風を受けにくくなる位置にあり、沖へ向いた潮を利用した磯釣りができます
ウキフカセ釣りではメジナ、底を狙う仕掛けではイシダイやイシガキダイ、沖の潮ではイサキや回遊魚が候補になります。足元から沖へ水深が変化するため、仕掛けを同じ距離だけへ投げ続けるより、海底の起伏と潮の向きを見ながら投入距離を変える方が魚の通り道を探しやすくなります
狙える主な魚種
メジナ、ブダイ、イシダイ、イシガキダイ、イサキ、カサゴ、ムラソイ、メバル、ヒラスズキ、イナダ、ソウダガツオ、アオリイカ、ケンサキイカ
この釣り方で釣れます
黒根岬では水深のある岩礁帯と外洋の潮を使い、ウキフカセ釣り、石物釣り、遠投カゴ釣り、ショアジギング、ロックフィッシュ、ヒラスズキ、エギングを組み立てられます。釣り座のすぐ前だけでも磯際、沈み根、落ち込みがあるため、魚種によって狙う距離とタナを変えることが重要です
ウキフカセ釣り
メジナを軸に、ブダイなどを狙える釣り方です。黒根岬では平床、甚左衛門、ゾレなどから潮へ仕掛けを乗せることができ、磯際に魚が寄っている時は近距離、潮が沖へ伸びる時は少し離れた潮筋まで狙えます。水深があるため、表層で反応がない時はウキ下を深くし、中層から底寄りまで探ります
潮が速い日は仕掛けがコマセより先に流れたり、表層だけを滑ったりしやすくなります。ウキの浮力、ガン玉、ハリスの長さを調整し、付けエサがコマセの帯から大きく外れないようにします。磯際に根が張る場所では、魚を掛けた直後に根へ入らせない竿さばきも必要です
石物釣り
イシダイとイシガキダイは黒根岬を代表する底物です。平床では足元のハエ根際と沖の深場の両方を狙うことができ、甚左衛門でも底物釣りが行われています。サザエなどを使った石物仕掛けのほか、イシガキダイでは比較的軽いオモリを使う仕掛けでも狙えます
投入後はオモリを海底で大きく引きずらず、根掛かりしにくい位置で仕掛けを止めます。アタリが出ない場合は同じ場所へ投げ続けるより、足元、ハエ根の外側、中距離、沖と投入点を変える方が海底の変化を探れます。石物は掛けてから根へ走るため、足元狙いでは特にラインを出しすぎないことが大切です
遠投カゴ釣り
イサキ、イナダ、ソウダガツオなどを狙う場合は遠投カゴ釣りを使えます。黒根岬は岸近くから水深があり、さらに沖では潮が動くため、カゴを遠くへ飛ばすだけではなく、潮目や潮の向きに合わせて投入場所を変えます。甚左衛門ではイサキやイナダを狙う遠投系の釣りが行われています
イサキは底だけを狙う魚ではないため、ウキ下を固定したまま待つより、反応がなければタナを変えます。青物が小魚を追っている時は、仕掛けを魚の群れへ直接落とすのではなく、進行方向や潮上へ入れてコマセと仕掛けをなじませます。
ショアジギング・プラッギング
イナダやソウダガツオなどの回遊魚には、メタルジグ、ミノー、シンキングペンシルなどを使えます。沖で小魚が追われている時は表層を速めに探り、魚が見えない時は中層から底付近までレンジを変えます。黒根岬は外海へ向けてキャストでき、沖の潮を狙える地形です
朝夕だけに絞らず、小魚が入って潮が動いている時間も狙い目です。水面に反応がなくても回遊魚が深い層を通ることがあるため、メタルジグを沈めてから巻き上げるレンジを変えます。根が張る手前まで底を引き続けると根掛かりしやすいため、回収に入る位置ではルアーを早めに浮かせます
ロックフィッシュ
カサゴ、ムラソイなどの根魚は、岩礁の割れ目、沈み根の周囲、岩盤が落ち込む場所をワームやブラクリで探れます。黒根岬は水深のある地磯で、ロックフィッシュを狙う場所としても使われています。沖へ遠投するだけでなく、足元から数m先の岩礁も狙う範囲に入ります
ワームではジグヘッドや根魚用リグを底まで入れ、岩に接触したら軽く浮かせて次の隙間へ移動させます。根魚は同じ穴や岩の際から続けて反応する場合がありますが、小型魚を持ち帰り続けるより、必要な分だけキープして釣る方が長く楽しめます
ヒラスズキ
ヒラスズキは黒根岬の岩礁帯で狙える魚です。サラシが広がった時は、白泡の奥、サラシと通常の海面が接する境目、岩の横から流れ出す払い出しへミノーやシンキングペンシルを通します。足元だけでなく少し沖の沈み根でサラシができる場所も狙えます
ルアーを速く巻き続けるだけではなく、潮に乗せて岩の横を横切らせたり、サラシの中で速度を落としたりして魚が出る場所を探ります。掛けた後にラインが岩へ触れると切られやすいため、魚の走る方向を見ながら早めに主導権を取ります
エギング
黒根岬ではアオリイカを狙った地磯エギングができます。平床、甚左衛門、ウノクソ周辺は水深があり、潮が走る地形です。夕方から夜にかけてアオリイカが複数釣れた例があり、水温が低い条件でもアオリイカに加えてケンサキイカが釣れています
エギは3.5号を軸に使いやすく、潮の速さや狙うレンジに合わせて沈下速度を変えます。黒根岬では沖の潮目を狙えるため、キャスト後にすぐシャクリ始めるのではなく、テンションを掛けながら沈めてカウントを取り、エギが入っている層を把握します。底まで落とす方法だけでなく、中層から探る釣りも有効です
明るい時間は大きめのシャクリでエギを見つけさせ、その後のフォールで抱かせる方法が使えます。一度触って乗らなかった時は、同じ強い動きを繰り返すだけでなく、短いシャクリからテンションフォールへ移して動きの幅を変えます。夜は潮の重さを感じながらエギを動かし、派手に動かし続けずフォール時間を取ります
黒根岬ではアオリイカが中層で反応することもあります。水深があるからと毎投底まで沈める必要はなく、潮目や小魚が見える層に合わせてカウントを変えます。中層で反応が出れば同じカウントを基準にし、反応が途切れたら少し深くするなど、レンジを段階的に変える方法が合います
PEラインは0.6号前後、リーダーは2.5~3号程度を使った釣行例があり、地磯では長めのロッドが扱われています。足元の岩が張り出している場所では、イカを掛けた後にラインを岩へ触れさせないことが重要です。取り込み位置が低く取れない場合に備え、ギャフやタモを用意しておくと対応しやすくなります
黒根岬で釣果を狙う
黒根岬では、海底の深さだけでなく潮の向きを見ることが重要です。岸から沖へ一気に深くなる場所では、魚が必ず沖にいるわけではなく、磯際の根、斜面の途中、沈み根の外側、沖の潮と複数の付き場ができます。最初から遠投だけに頼らず、近距離から順に探ることで、手前を回るメジナや根魚、底物を拾いやすくなります
潮が速い時は、仕掛けを重くしてその場へ止めるだけではなく、潮が緩む境目を探します。岬の張り出しや沈み根の後ろには流速差ができやすく、ウキや道糸の動きが変わる場所は狙い目です。逆に潮がほとんど動かない時は、磯際や海底の地形変化を細かく探り、潮が動き始めたら沖側へ狙いを広げます
黒根岬では風向きによって釣り座の受ける風が変わります。南西寄りの風では北側の平床、北東寄りの風では南側のゾレやウノクソが風を受けにくくなる地形です。風裏だから魚が集まるという意味ではなく、仕掛けを操作できる方向と潮の向きを合わせやすくするための釣り座選びとして使えます
施設・アクセス情報
黒根岬は静岡県賀茂郡東伊豆町稲取にあり、国道135号側から岬上へ入ります。岬上から磯までは徒歩で移動し、釣り場案内では駐車場所から5分程度とされる一方、岩場へ向かう区間には急な崖があります。距離だけを見れば短い入磯ですが、クーラーボックスやバッカン、ロッドケースなど大きな荷物が多いほど下降しにくくなります
車から磯まで近いことを理由に軽装で入る場所ではありません。帰りは磯から斜面を登るため、釣行前から荷物を必要な量に絞り、背負えるバッグやロッドケースを使う方が移動しやすくなります
駐車場
黒根岬の岬上には駐車場があり、無料10台の案内があります。同じ岬上には「RVパーク伊豆黒根岬」もあり、こちらは予約して利用する車中泊用の施設です。RVパークは一般の釣り客が自由に駐車する区画ではないため、現地の区画表示を見て一般駐車可能な場所を利用してください
RVパークの所在地は東伊豆町稲取3009-1で、一般駐車場所と近接しています。入口付近で駐車区画を取り違えないようにし、住宅や施設の出入口、通路へ車を置かないことが必要です
トイレ
岬上には「稲取黒根岬公園トイレ」があり、所在地は東伊豆町稲取3009-8です。静岡県の公開データにも観光課管理のトイレとして登録されており、黒根岬のジオサイトにもトイレ設備があることが示されています。磯へ下りてから利用する施設ではないため、入磯前に済ませておくと戻る回数を減らせます
所在地
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取・黒根岬。釣り場として使われる磯は岬下の岩礁帯で、平床、甚左衛門、ゾレ、ウノクソの名称があります
立入・釣り禁止情報
黒根岬は磯釣りやエギングで利用されている地磯で、岬自体は一般向けのジオサイトとして公開されています。岬上には駐車場とトイレもありますが、RVパークの専用区画や私有地、柵で区切られた場所は自由に通行する場所ではありません。現地に立入禁止、通行止め、私有地、施設利用者専用などの表示がある場合は、その範囲へ入らないでください
磯への進入路についても、柵やロープを越えて新しいルートを作ったり、崖を直接下ったりしないことが必要です。黒根岬には急な崖を下る区間があるため、通常の進入経路から外れると戻れなくなる場所があります
安全面
黒根岬で特に注意したいのが高波です。平らに見える岩盤でも海側へ傾斜しており、ウネリが入ると波が岩の上まで這い上がります。沖だけを見て波高を判断せず、自分が立つ岩盤まで海水が上がる状態では低い釣り座へ入らないことが必要です
黒根岬では、磯釣り中の男性が高波を受けて海へ転落し、死亡する事故も起きています。外海側が一度静かになっても、大きなウネリが間隔を空けて入ることがあります。釣りを始める前にしばらく海面を見て、波が到達する高さと退路を把握してから釣り座を決める必要があります
装備はライフジャケット、磯靴、両手を空けられる荷物、夜間ならヘッドライトが基本です。濡れた溶岩や海藻の付いた岩は滑りやすく、釣り座までの下降でも転倒する危険があります。魚を取り込むために海際へ移動する必要がある場所では、タモやギャフを使い、波打ち際まで降りない取り込み方を選びます。地磯エギングでもライフジャケット、ヘッドライト、磯靴が必要な装備として使われています
マナー
黒根岬は自然の岩礁を利用する地磯です。釣り糸、針、エサの袋、飲食物の容器は残さず持ち帰り、使用した仕掛けやラインを岩の隙間へ押し込まないようにしてください。コマセを使った後は、足場に大量のコマセを残さず海水で流し、次に入る人が滑らない状態にして帰ります
石物釣りのエサも現地の貝やウニを自由に採って使うのではなく、釣具店などで用意したエサを持ち込みます。複数人で入る場合は釣り座を必要以上に広く使わず、先行者の仕掛けが流れている方向へ後から投げ込まないことも大切です
黒根岬は、岸近くから水深が出る岩礁、外海の潮、平床・甚左衛門・ゾレ・ウノクソという異なる向きの磯場を使える地磯です。メジナやブダイのウキフカセ、イシダイ・イシガキダイの底物、イサキや青物の遠投系、根魚、ヒラスズキ、アオリイカやケンサキイカまで狙える一方、急な下降路と高波への備えが欠かせません。釣り座へ着いてから仕掛けを決めるだけでなく、潮の向き、水深、沈み根、波が上がる高さを見て、自分が安全に釣りを続けられる範囲で狙う場所を決めることが大切です
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