三崎港・城ヶ島エリアで年間250〜300回エギングを行っている筆者が、ダイワのエメラルダス フォールLC ラトルを実釣目線でインプレします
三崎港や城ヶ島を含む三浦半島は、春と秋だけでなく1年を通してエギンガーが多いエリアです。岸壁や磯の分かりやすい場所には何度もエギが通されており、アオリイカも一般的なエギの動きや沈み方を見慣れています
そのようなスレ気味の三浦半島でも、エメラルダス フォールLC ラトルは安定して釣果を出しているエギです。現時点のダイワ製エギでは、特定の季節や条件だけに偏らず、最もコンスタントにイカを釣りやすいモデルだと感じています
ヤマシタのエギで性格が近いものを挙げるなら、エギ王Kです。どちらも派手なダートだけで反応させるのではなく、シャクリの後に姿勢を整え、イカが抱きやすいフォールを作る方向で設計されています
フォールの滑らかさだけを比べると、餌木猿などの桐製エギには若干劣る印象があります。それでも、磁着式重心移動システムによる飛距離、安定した沈下姿勢、扱いやすさをまとめて考えると、一軍に入れておきたいエギです
エメラルダス フォールLC ラトルの特徴
エメラルダス フォールLC ラトルは、安定したフォールを特徴としていたエメラルダス フォールに、磁着式重心移動システムを加えたモデルです。「LC」はLONG CASTを意味し、フォール性能を残しながらキャスト性能を高めています
キャスト時には内部の移動ウェイトがカンナ側へ動き、後方へ重さが集まります。エギが尾側から飛びやすくなるため、空中で横を向いたり、回転して失速したりする回数を抑えられます
着水後はウェイトが前方へ戻り、内部の磁石によって固定されます。重心移動式でありながら、水中ではウェイトが不用意に動きにくく、狙ったフォール姿勢を保ちやすい構造です
ボディーは細身のダート系エギより厚みがあり、水を受けながら落ち着いて沈みます。シャクリを入れた後も左右へ大きく暴れ続けず、早い段階でフォール姿勢へ戻るエギです
全サイズにラトルが搭載されており、エギを動かした時には音でも周囲のイカへ存在を伝えます。飛距離、ボディーの水押し、ラトル音、安定したフォールを組み合わせた設計です
サイズと沈下速度
ノーマルモデルには2.0号、2.5号、3.0号、3.5号があります。2.0号は6.5gで沈下速度が約6.5秒/m、2.5号は10gで約5.5秒/m、3.0号は14.5gで約4.0秒/m、3.5号は21.5gで約3.5秒/mです
2.0号はケンサキイカや小型のアオリイカを狙うライトエギング、2.5号は夏から秋の小型アオリイカに合わせやすいサイズです。3.0号は秋のアオリイカから春まで使用でき、3.5号は春の大型、水深のある場所、潮が速い状況で使いやすくなります
サイズはイカの大きさだけで決めるのではなく、水深と潮の速さも考えます。浅場で沈下の速い3.5号を使うとフォール時間が短くなり、深場や速い潮で2.5号を使うと狙ったレンジへ入る前に流されやすくなります
三浦半島で1本を基準にするなら、幅広い季節へ対応できる3.0号が使いやすいサイズです。春の大型や潮の速い磯では3.5号、秋の小型や浅い港内では2.5号へ調整します
実釣で感じる飛距離とフォール性能
磁着式重心移動システムの効果は、キャストした時に分かります。固定重心のエギより飛行姿勢がまとまりやすく、向かい風や横風がある状況でも失速を抑えて沖へ届けられます
三浦半島の人気ポイントでは、多くのエギンガーが足元から中距離までを繰り返し探っています。手前側で反応がない時に、沖の潮目、ブレイク、沈み根の外側へ届かせられることは大きな利点です
飛距離だけを求めるなら、細身で重量のあるエギにも選択肢があります。フォールLC ラトルの良さは、遠投した先でエギを安定して沈め、そのまま沖から足元まで長い距離を探れることです
シャクリの後はボディーが水を受け、姿勢を整えながら沈みます。追ってきたイカがエギとの距離を詰めやすく、フォールへ入った後に抱く時間を作れる点が実釣で感じる強みです
水中で大きくふらつかないため、同じレンジを丁寧に通しやすくなっています。強いシャクリを繰り返して反応させるエギというより、沖へ投げた後のフォールで釣果を出すエギです
エメラルダス フォールLC ラトルが釣れる理由
三浦半島で実績が高い理由は、他のエギンガーと異なる距離を探せることです。人が多い釣り場ではカラーを変えるだけでなく、他の人が十分に届かせていないコースへエギを入れることが釣果につながります
沖へ投げた後は、エギが暴れすぎず、イカが抱きやすい姿勢で沈みます。寄せるための動きと、抱かせるためのフォールが分かれているため、エギを追っているイカに対して再現性があります
濁り潮、波気のある日、暗い時間帯ではラトル音も有効です。視覚だけではエギを見つけにくい条件でも、音によって存在を知らせ、その後のフォールで抱かせる流れを作れます
ダイワには、速い潮や強風に対応するエメラルダス ステイ、ダート性能を重視したエギもあります。フォールLC ラトルは飛距離とフォールのバランスがよく、港、磯、ゴロタ浜など複数の場所へ持ち込みやすいことが、年間を通した釣果につながっています
エメラルダス フォールLC ラトルが釣れない理由
フォールLC ラトルが釣れない時は、安定した沈み方やラトル音が、その日のイカの反応と合っていない可能性があります
フォールが安定しているエギは、追ってきたイカに抱かせやすい反面、沈下中の動きの変化は少なくなります。左右への大きな動きや、急な姿勢変化へ反応しているイカには、動きが単調に見えることがあります
ラトル音を警戒するイカもいます。澄み潮の浅場や、ラトル入りエギを何度も見ている個体は、エギの存在に気づいても一定の距離から近づかないことがあります
イカが追っているのに抱かない状況で、強いカラーから弱いカラーへ替えても反応が変わらない場合は、色ではなく音が原因かもしれません。その時はエギ王Kや餌木猿などのラトルなしエギへ替え、静かなフォールを見せます
フォールLC ラトルだけで粘るのではなく、反応が合わない時に性格の異なるエギへ替えられるかが重要です。釣れない時間に同じエギのカラーだけを交換し続けても、イカが嫌っている要素を残したままになることがあります
エメラルダス フォールLC ラトルで釣れるカラー
実績が高いカラーは、赤-縞アーミーグリーン杉、ケイムラ-パープルピンクアジ、ケイムラ-クリアブルーアジの3色です
赤-縞アーミーグリーン杉は、マヅメ、秋、濁り潮、高活性な回遊個体を狙う時に使います。ケイムラ-パープルピンクアジは状況を選びにくく、最初に投げるカラーとしても使えます
ケイムラ-クリアブルーアジは、日中の澄み潮や、エギを見慣れてスレ気味になっているイカに合わせます。この3色があれば、強いアピールから控えめな見せ方まで組み立てられます
赤-縞アーミーグリーン杉
赤-縞アーミーグリーン杉は、朝夕のマヅメ、秋の高活性時、濁り潮で反応が出やすいカラーです。光量が少ない時間帯や、水中の透明度が落ちている状況でも存在感を出せます
秋の新子が複数で回遊している時は、控えめなカラーで様子を見るより、赤-縞アーミーグリーン杉で広く探した方が早く反応を確認できることがあります。ラトル音と強めのカラーを組み合わせ、活性の高いイカへ積極的に気づかせる使い方が合います
マヅメの短い時合にも向いています。沖へ遠投しながらテンポよくコースを変え、回遊しているイカが入っている場所を探ります
一方、日中の澄み潮では強く見えすぎることがあります。イカが途中まで追っても抱かない場合や、エギとの距離を詰めない場合は、ケイムラ系のカラーへ交換します
ケイムラ-パープルピンクアジ
ケイムラ-パープルピンクアジは、状況を選ばず使いやすいカラーです。晴天、曇天、マヅメ、日中、澄み潮、軽い濁りまで対応しやすく、最初の1本として結べます
パープルとピンクの組み合わせは、強すぎず弱すぎない見え方です。紫外線へ反応するケイムラによって、水中で存在を伝えながら、赤系の強いカラーほど前へ出すぎません
フォールLC ラトルを初めて使う場合も、このカラーならエギ自体の性能を確認しやすくなります。飛距離、ラトル音、フォール姿勢の特徴を残しながら、カラーだけが強くなりすぎないためです
特定の条件へ絞れない時は、ケイムラ-パープルピンクアジから反応を確認します。イカの追い方が強ければ赤-縞アーミーグリーン杉へ上げ、警戒している様子があればケイムラ-クリアブルーアジへ下げます
ケイムラ-クリアブルーアジ
ケイムラ-クリアブルーアジは、澄み潮やスレ気味の状況で効果を感じるカラーです。透明感のあるブルー系のボディーが輪郭を弱め、イカへ与える視覚的な圧を抑えます
三浦半島では、日中になると潮が澄み、エギの色や動きが水中で見えやすくなることがあります。赤系やピンク系では途中までしか追わないイカが、クリアブルー系へ替えると距離を詰めることがあります
フォールLC ラトルは、ラトル音とボリュームのあるボディーによって、エギ自体の存在感が弱くありません。クリア系カラーを組み合わせることで、音と水押しは残しながら、見た目だけを自然な方向へ調整できます
ケイムラ-パープルピンクアジで反応はあるものの抱かない時や、釣り人が多い日中は、ケイムラ-クリアブルーアジへ交換します。強く目立たせるのではなく、追っているイカに最後の距離を詰めさせるカラーです
3色の実釣ローテーション
状況が分からない時は、ケイムラ-パープルピンクアジから始めます。このカラーでイカの反応を確認し、追い方や潮色に合わせて残りの2色へ動かすと、必要以上にカラー交換を増やさずに済みます
マヅメ、秋、濁り潮でイカの活性が高いと判断できる時は、赤-縞アーミーグリーン杉から入ります。短い時合では弱いカラーから順番に試すより、アピールの強いカラーで回遊個体を早く探す方が釣果につながります
日中の澄み潮や、人が多くエギが何度も通されている場所では、ケイムラ-クリアブルーアジを先に使います。見た目を抑えた状態で沖の潮目やブレイクへ入れ、フォールへの反応を確認します
カラー交換と同時に、キャスト方向、飛距離、狙うレンジも変えます。同じコースへ色だけを替えて投げ続けるより、イカがいる場所と反応する見え方を同時に探す方が効率的です
エギ王Kとの違い
フォールLC ラトルは、性格としてはエギ王Kに近いエギです。どちらもシャクリの後に姿勢を整え、フォール中にイカへ抱かせることを重視しています
エギ王Kは固定重心で、ラトルを搭載していないカラーが中心です。近距離から中距離を静かに探る場面や、ラトル音を警戒しているイカを狙う時に使いやすくなります
フォールLC ラトルは磁着式重心移動を搭載しているため、エギ王Kよりも沖へ届かせやすいことが違いです。手前側へ反応がない時や、沖の潮目、ブレイクまで探りたい時はフォールLC ラトルが有利になります
静かなアピールと安定感を優先するならエギ王K、飛距離とラトルを使って広い範囲を探すならフォールLC ラトルという使い分けができます
餌木猿との違い
餌木猿は桐製ボディーを採用しており、樹脂製エギとは異なる浮力と沈み方を持っています。潮を受けた時の細かな揺れや、フォールへ入る時の滑らかさには、桐製エギらしい自然さがあります
フォール性能だけを比べると、フォールLC ラトルは餌木猿に若干劣る印象です。特に近距離でイカへ長く見せる場面では、餌木猿の柔らかい沈み方が合うことがあります
一方、飛距離と風への対応ではフォールLC ラトルが使いやすくなります。沖のイカを探す必要がある時や、固定重心の餌木猿では届きにくい場所を狙う時は、磁着式重心移動の効果を生かせます
近距離でフォールの自然さを優先するなら餌木猿、広い範囲を探しながら安定したフォールで抱かせるならフォールLC ラトルです。優劣ではなく、イカがいる距離と釣り場の条件で役割が変わります
気になる点
気になるのは、安定したフォールを特徴とするエギでありながら、全モデルがラトル入りになっていることです
実釣では、フォールLC ラトルの安定した沈み方は、どちらかといえば活性が高く、エギを追っているイカに対して再現性を感じます。追ってきたイカがフォールへ入った瞬間に距離を詰め、そのまま抱く流れを作りやすいエギです
一方のラトルは、音によって広い範囲へ強くアピールする機能です。安定したフォールで違和感を抑える性格と、高アピールなラトル音が同居しており、組み合わせの狙いが少し分かりにくく感じます
濁り潮、波気、暗い時間帯ではラトルが役立ちますが、澄み潮、浅場、ラトル入りエギを見慣れたイカには、音を出さない方が使いやすい場面があります。磁着式重心移動とフォール性能を残したラトルなしモデルがあれば、選択肢はさらに広がります
価格もヤマシタやデュエルの定番エギと比べると割高な印象です。重心移動システムを搭載しているため価格差には理由がありますが、複数の号数とカラーをそろえる場合や、根掛かりの多い場所で使う場合は負担を感じます
エメラルダス フォールLC ラトルの使い方
キャスト後は、後方へ移動したウェイトを前方へ戻してからフォールへ入れます。着水直後に一度エギを動かすことで、ウェイトが磁石へ固定され、安定した沈下姿勢を出しやすくなります
大きく左右へ飛ばし続けるより、エギを縦方向へ持ち上げ、その後のフォールを長く取る使い方が合います。操作を増やすのではなく、追ってきたイカがエギとの距離を詰める時間を確保します
ラインを張りすぎると、エギが手前へ引かれながら沈み、狙ったレンジから外れやすくなります。潮の速さと風向きを確認し、エギが沖側で沈む時間を残します
反応がない時は、カラーだけを替えて同じ場所へ投げ続けません。沖の潮目、海底の変化、沈み根の外側へ投げ分け、20分ほど反応がなければ立ち位置も変えます
フォールLC ラトルへイカが付いてくるものの抱かない場合は、ラトルなしのエギへ替えます。反対に、エギ王Kや餌木猿で反応がない時は、フォールLC ラトルを使って届く距離とアピールを変えます
結論
エメラルダス フォールLC ラトルは釣れないエギではなく、スレ気味の三浦半島でも実績の高いエギです。現時点のダイワ製エギでは、年間を通して最もコンスタントにイカを釣りやすいと感じています
釣れるカラーは、赤-縞アーミーグリーン杉、ケイムラ-パープルピンクアジ、ケイムラ-クリアブルーアジの3色です。高活性時、基準カラー、澄み潮やスレ気味の状況という役割に分けて使えます
ラトルなしモデルを選べないことと、価格がやや高い点は気になります。それでも、固定重心のエギでは届きにくい場所へ投げ、安定したフォールで抱かせられるため、広い範囲からイカを探す場面では一軍に入るエギです
エギのインプレッション
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