エギングにシャクリは必要?
しゃくり方
シャクらないエギング

2020年に神奈川県三浦市に移住してきました。海の近くに住むのだから海釣りを趣味にしたいと思い、やるならイソメなどを使う餌釣りでは無く疑似餌を使った釣りをやりたいと思った私はアジング、メバリングなどのライトゲームに興味を持ち釣り具屋に道具を買いに行きました
元々埼玉出身で高校を卒業するまで埼玉にいたので子供の頃から鯉や鮒、クチボソ、タナゴ等の釣りから始まり、中学時代は釣りキチ三平の影響もありヘラブナ釣りにのめり込みました。高校時代は勉強や部活でほとんど釣りはしませんでしたが20歳を過ぎてからは休日に幼馴染と鯉の釣り堀や夏はハクレン釣り。仕事で知り合った先輩とブラックバスや渓流釣りに釣れていって貰いました
35歳を過ぎたあたりから仕事が忙しい。いや忙しいというより楽しくて仕方ないって感じで仕事に没頭する日々が続きました。2020年コロナウィルスによる行動の制限で仕事を頑張りたくても頑張れない。だったら長年の夢であった海の近くに移住する事を決め、海釣りを始めるわけですが実はこれまで海釣りってした事が無かったのです
海釣り初体験の日、ライトゲーム用のタックルにワームを付け海に投げ込みます。YouTube動画で見た感じで底をちょんちょん誘っていると、いきなりまぐれでクジメが3匹釣れたのです。兎に角嬉しかった記憶があります。海釣り初体験の次の釣行から10回程ボウズを食らったので、最初に釣れた3匹は釣りの神様が私に海釣りにはまるよう仕向けた言わば神様のプレゼントだったと思っています
それからは仕事の合間に昼夜問わず釣りに明け暮れました。マイエリアの三崎港は昼は兎に角釣るのが難しい。おのずと夜やまずめ中心の釣りライフに変わっていきます
ライトゲームに興じてると近くで凄いシャクリ音を出しながらエギングをしてる人とよく遭遇するようになります。この音が自分的には結構耳障りで少しストレスに感じるようになりエギングやエギンガーに対しよく無いイメージを持つことになります。そんな事もあり最初の数か月はエギングをする事がほとんど無かったのですが秋シーズンにエギングの面白さに気付き、今度はエギングばかりする日々が続きます
エギングについて色々調べてみると興味深い検索キーワードで出てきます。「エギンガー うざい」、「エギング しゃくり 気持ち悪い」などです。確かに複数で来てるエギンガーは人と一緒で気が大きくなってるのかマナーの悪い人が多い印象です。「しゃくり 気持ち悪い」は自身が持った印象と同じなんだと思いました。また不思議と声も掛けずにすぐ隣りでエギを投げ始め、仕舞いにはこちらのポイントにエギを投げこんでくるマナーの悪い人ほど所謂気持ち悪いシャクリ、びゅんびゅんとロッド音を出すエギンガーが多いのです
相当前置きが長くなってごめんなさい。このページではエギングでびゅんびゅんシャクるのは必要か?もっと言えば釣れるのか?釣れないのか?どういうシーンでしゃくったら良いのか。しゃくらない方が良いシーン。しゃくり方、しゃくりの種類など年間250回以上エギング釣行する筆者が解説します
シャクリのルーツ

エギングと言えばシャクリありきと思ってる人が多いですが実は比較的最近出来た手法なのです。ナイロン全盛時代はボトムずる引き、もしくは中層ただ巻きしか手法が無く、ボトムずる引きで狙う際はどうしても根掛かりしやすいのでカンナが半傘のエギが売られてたくらいなのです
PEラインが主流になってから巻くだけよりシャクって巻くなり、フォールさせた方が釣れると気付いた人が起点でエギングはしゃくるが流行していくそうなのです。年数にして10~20年程度だと思います。なのでシャクル動作はベーシック(基本)というよりトレンド(流行)と考えた方がいいかも知れません
参考までに私はよくただ巻きでイカを釣るのですが、他の人にただ巻きで釣れた事を伝えるとしゃくらなくてもイカが釣れる事にびっくりする人が結構な数います。それだけエギング=シャクルというイメージが浸透してるのだと思います
シャクるべき状況
秋の新子アオリイカをサイトフィッシングでやると、ただフォールさせるだけで反応してくれるイカは少なく、シャクリを入れた後にフォールで反応してくる個体が多数います。エギが素早く動く事に捕食スイッチなり好奇心が沸き反応してるのだと思います。但しシャクリを続けていると飽きてくるのかスレてくるのか反応する個体がどんどん減っていきます
そもそも疑似餌を使ったルアーフィッシングはエギングも含め始めほど釣れ易く、投げる程釣れにくくなる傾向があります
ポイントに入ったばかりはシャクるエギングが基本になると思います。秋イカ以外でも、冬&春&夏の高活性イカなら親イカでもしゃくる方が釣れる事が多いです
シャクらない方が良い状況
秋シーズンにおいても5m間隔でエギンガーがずらっと並んでいる状況であればイカがいたとしても、かなりスレてると思っていいので1~2投シャクリのエギングで様子を見て反応が無ければ巻きなりズル引きなり、ボトム放置が釣れる事も多々あります
潮通しが悪い場所&活性の低い時間帯&潮が動いてない状況&冬などのオフシーズンはシャクルとしても最初の1~2投で、そこからしゃくらずに誘う方が釣れる時が多いです。冬&潮通しが悪い場所では初めからただ巻きで狙ったりします。エギングが基本しゃくる事でイカにアピールさせますが、ただ巻きやズル引きはアピール力が低いのでイカのスレ度が緩和されます
びゅんびゅんシャクるは釣れる?
「エギング しゃくり 気持ち悪い」というワードに出てくる鬼しゃくりですが、私も全くやらずにケチを付けるのはフェアじゃないと思ったのでやってみた事があります。特にこれが釣れると思った事は無いし、感覚的にスレ度が早いイメージを持ちました。イカはかなり獰猛なのでシーバス狙いの大きいプラグでショートピッチジャークさせても釣れる事があるので、高活性のイカがいれば鬼シャクリでも当然釣れるので、このシャクリだから釣れるとは全く思いません
但し例えばイカが沢山いる状況で他にエギンガーがいなければ遠くにいるイカにアピールさせる為に激しい鬼シャクリは有効かも知れませんが昨今そういう状況に巡り合えるエギンガーがどれだけいるでしょう。あと手首や肘を痛めそうなので検証以外で鬼シャクリはやらなくなりました
某釣りメーカー・プロエギンガーの一部が鬼シャクりをしてるのをYouTube動画で見ます。そういう動画に影響され鬼シャクリをする人が多いのだと思います。しかしあの人たちは撮れ高を出す為に渡船で沖磯などに渡り、他にエギンガーがいない状況でエギングをやる訳ですから鬼シャクリであっても高活性のイカさえ回遊してくれば釣れるのは当然なのです
シャクリの種類

何回シャクるが正解!?
1段しゃくりから多い人で6~8段くらいシャクりますが、私は1回&3回&5回くらいでシャクってます。何回が釣れるとか特にありません。イカの好みによると思いますが気を付けているのは単調にならない事です
単調とはずっと3段シャクリを繰り返す等です。なぜ単調にならないようにしてるかとイカは飽きっぽいので単調になるとエギを追いにくくなるからです。例外もあって、1段しゃくりを続けて釣れる時もあるので変化をつける&あえて付けないなど色々試します
ショートジャーク
私の認識はロッドの振り幅は50cmくらいで同時にリールハンドルを半回転から1回転回す(連動)感じです。初心者の方はこの連動させるのが難しかったりしますが大きくエギを動かすシャクリと同じくらい重要な誘いです。ダート系のエギで横にジャークしつつイカを誘います。巻きシャクリとも称されます。スラッグジャークよりだエギのダート幅は狭いです
3段もしくは5段しゃくり時にショートジャークを使う事が多いです。5回の時は中層であれば小魚がイレギュラーな動きをしてるイメージ。ボトム付近なら底を叩くようにアクションさせています。メインは3段シャクリのショートジャークを使う事が多いです
スラッグジャーク
ラインにあえて弛みを持たせシャクリます。意味合いとしては横にダートさせたい時&少しでも長く攻めたい時に手前に来にくいこの手法が向いてます。シャクリ中もフォール中もスラッグを出しておくとエギが自然にフォールするのでイカが違和感を持ちにくいとされています。ラインテンションを張ってないのでアタリは取りにくく特にラインが見えない夜は気づいたらイカが乗ってることが多いです。この誘いが効果的なシーンは結構あります
エンドタップジャーク
瞬発的にエギを大きく動かしたい時に使うシャクリでコツはロッドを振り下げる際に意図的にグリップエンドを肘の内側に当て、その反動でティップ側が浮き上がる力を利用するそうです。私はテストでやった事はありますが普段はやりません。エンドタップジャークの所作とロッドの風切り音が苦手だからです。エギを大きく跳ね上げたい時は普通にぶわっとロッドを大きくしゃくります。それで普通に釣れます。エンドタップジャークが釣れるかは検証時間がほぼ無いので何とも言えません
サウンドジャーク
エンドタップジャークと違いがよく分かりませんが「エギング シャクリ方 気持ち悪い」とされる二大しゃくりがこのサウンドジャークとエンドタップジャークです。こちらも基本私はやりません。イカの絶対数が減少傾向&エギンガーは増える状況でトリッキーなアクションが通用する釣り場ってどれだけあるのでしょう。それでも興味のある方は調べてやってみてください
シャクリのローテーション
エギングにおけるシャクリは誘いなので変化を付ける事で効果が倍増します。私がよくやるローテーションは中層狙いでも底狙いでも任意のレンジまでエギを沈めたらまずは3段しゃくり→カーブフォール→3段しゃくり→フリーフォール→1段しゃくり→カーブフォール→1段しゃくり→フリーフォール。だいたいこれくらいでエギは結構手前に寄って来てるので少しステイさせたり、さびいてみたりして手前でイカがエギを抱くのに期待しつつ反応が無ければ回収します
次は3段しゃくりを5段しゃくりに変更したり、カーブフォールで無くテンションフォールにしたりします。それでも反応が無ければただ巻きやボトムずる引き。ボトム放置(ステイ)。3~4投同じエギでアタリが出なければエギを交換。この時にサイズやカラー、沈下速度などは大幅に変えます
最後に

激しくしゃくる事に対し、かなり辛辣な意見を書きましたが地域によっては鬼シャクリの方が釣れるのかも知れません。但し少なくとも私の知る限りマイエリアで鬼シャクリをする人で上手なエギンガーってあまりいない気がします。エギは大きく動かすけど、音速シャクリであったりトリッキーシャクリである必要では無いと自分の周りの上手なエギンガーも言ってます。鬼シャクリは釣れる確率よりイカがすれる(散る)可能性が高いと
エギング=しゃくりという認識は捨てた方がいいかなとも思ってます。重要なのはまずはポイント。その次に狙うレンジやエギの大きさ、沈下速度、フォールの掛け方。シャクリのアクション有無はこの次くらいという認識でいます
更新日 2025年4月20日
著者 古田晃広