エギのカラー選びは難しくない
エギングで釣果が出る
カラー&サイズ選択

エギのカラーって何が正解かよく分からないですよね。「夜は赤テープが強い」、「まずめは金テープ」、「海水の色にエギの色を合わせる」、澄み潮時は…。エギのカラー選択において全体像が見えないので結局自分な好きなカラーであったり何度か釣れた事があるエギを選んでしまう。そんな方が多いと思います。私も以前はそうでした
今回は私なりにエギカラーを可能な限りシンプルに考えサイズやエギのローテーションなども含め諸々解説していきます
エギのカラー選択
まずは二つに分類する
手持ちのエギを用意してテーブル等に置いてください。そしてそのエギがクリア系か非クリア系かを分類してください。見分け方は下の写真のように光に向けて光を透過しないのが非クリア系(写真上)、光を透過するものがクリア系(写真下)となります

上 非クリア系赤テープ
下 クリア系赤テープ
下の写真のように光に向けて、どちらとも言えないエギは非クリア系に分類してください

分類したのが下の写真になります。左が非クリア系。右がクリア系と分類しています。ご自身のスマホカメラで撮影してみてください

先程の写真を白黒写真に変換しました。スマホ内におそらく写真編集機能があり白黒変換出来ると思うのでやってみてください
この写真は何を表してかと言うとイカは色盲なので人には上のように見えてますがイカの目には下の写真のように見えています

この白黒写真を参考にまずは左に並んでいる非クリア系エギを上から濃くみえる順に並べ直してください。下ほど薄く見えるようにしてくだい。右に並んでいるクリア系エギも同じ工程を行ってください

上から濃い順に並び変えたのが上記の写真になります。白黒写真のままですと分かりにくいのでカラー写真をお見せします

カラー解説に入ります。左側が非クリア系、右側がクリア系となりますが非クリア系の方がアピール。クリア系が非アピール(ナチュラル)と覚えてください
濃い、薄いに関しては暗い時(夜)は濃いカラーがアピール。薄いカラーが非アピール(ナチュラル)となります。写真の中でいうと夜は左側の一番上がアピール力が1番あり右側一番下は非アピール系(ナチュラル)という概念となります。暗い時に濃い色がアピールと言われてもぴんと来ないかも知れませんが、例えば外灯が薄暗い夜道など歩いていて、ふと自分の影にびっくりしませんか?ようはコントラストがはっきりしている濃い色(黒)がそれだけはっきり見えるのです。逆に白っぽく見える夜霧などはぼんやり見えるはずです
明るい時間(日中)は薄い色がアピール系。濃い色が非アピールとなります。ようは薄い色(白っぽい)は膨張色。濃い(黒)はエギが小さく見える(締まって見える)という事です。白い服が太って見え黒い服が痩せて見えるに近いかも知れません
「非クリア系」「クリア系」「濃い」「薄い」私はこの四つの概念で覚えればいいと思っています

例えば上の写真はどちらも赤テープですが人間にも烏賊にも相当違う物に見えてるはずです。そうなると「夜は赤テープ」という概念は赤テープにも色々種類があるじゃんと言った感じで話が破綻してしまうのです
カラーについての本音

あくまでも個人的な考えですがカラーはそこまで重要では無いと考えています。高活性なイカはカラー&サイズ問わず何にでも反応します。もっと言えばシーバス狙いでプラグを早巻きしている時にイカが釣れた事も何度かあります。それくらい高活性なイカはカラーやサイズは然程重要では無いと考えています
では高活性で無いイカはどうか?正しくないエギ選択(カラー&サイズ&沈下姿勢&フォールスピード)では反応しないイカが正しいエギ選択をした、もしくはイカの捕食スイッチが入るようなエギのローテーションをした事で釣れる事が多々あるので、そういう意味ではカラー選択はカラー&サイズ&沈下姿勢&フォールスピード&ローテーションと5つの重要な概念の五分の一を担ってと思っています
またエギのローテーションにおいて、あまり意味の無い事をしてる人もいるので、その辺も解説します


出典
ヤマシタ
例えばエギ王K3.5号ベーシックタイプ、ムラムラチェリー投げて反応無いので同じくエギ王K3.5号ベーシックタイプ、メープルサンセットを投げてみる。人の目には違うエギに見えますが


出典
ヤマシタ
烏賊目線(白黒)では、どちらも光を透過するクリア系で、しかも明暗の差がないので代わり映えしません


出典
ヤマシタ
だったらイカから透けて見える(光を透過)ムラムラチェリーの後は透けずに(光が透過しない)シルエットで誘う軍艦グリーンなどの方がイカにもはっきり違いが分かると思うのです


出典
ヤマシタ
ムラムラチェリーと軍艦グリーンの白黒バージョン
ラトル、夜光カラーなどについて
ラトル入り、夜光カラー、フラッシング効果、足付きで波動を出す。このタイプのエギは個人的には別物(オプション)と考えています。基本はどれもタイプは違えどプラスαというかアピール力アップだと思うので、高活性のイカがいないかパイロット的に使うなり、ローテーションの中でフラッシング効果や波動でイカの捕食スイッチが入るかもと使いますが、スレ化が強化されるので多投はしないべきと考えています
エギのサイズ
エギのサイズは一般的にイカの大きさに合わせると言われています。9月はアオリイカが新子で小さいので2.5号や3号。10月以降は3.5号と言われてますが、私はそう思っていません
イカの活性であったり、腹の減り具合だと思っています。3.5号のエギにエギより小さいイカが掛かった事が多数ありますし、2~2.5号のエギで800g以上や、それこそキロオーバーのアオリイカを釣った事が何度もあります
想像してみてください。人でも1~2時間前に食事を済ました状態で牛丼の特盛を出されても正直う~んって感じですよね。肉まん辺りなら、そうそうこれくらいなんだよ~って思いますよね
エギのサイズはイカの活性や食欲で変動するから季節で決めるはちょっとナンセンスと感じてます
エギのローテーション
エギのローテーションは季節や状況によって様々ですし、またエギのカラーやサイズ、沈下速度、沈下姿勢も考えなくていけません。沈下速度&姿勢について今回は基本割愛しますがエギのローテについて私はシフトチェンジを意識しています。例えば最初に投げるエギが非クリア系の赤テープ3.5号であれば次に投げるエギはクリア系の2.5号ナチュラルカラー等
基本はクリア系→非クリア系→クリア系(もしくはベイトカラーや夜光などのオプション系)です。先程例にあげましたが


出典
ヤマシタ


出典
クリア系で同じサイズ、イカ目線(白黒)にしたら似たカラーにチェンジした所でイカは変えた事さえ気づかないかもしれません
それでは実際に私のエギローテーションの一例を紹介します

状況は1~4月、マイエリアの三浦半島、三崎港は一年中エギンガーがおり、イカはエギやシャクリに対し結構センシティブな事が多い上に、この時期の水温は13~17度くらいで余程高活性のイカでない限りエギを追っかけって抱くという事はほぼ無く、自分の近くを通ったエギにだけ反応しやすいという感じです。エリアの水深は5m程度。釣行時間帯は基本夜。稀に朝まずめです
パイロットエギとして投げるのは非クリア系の3.5号で紫テープ(濃い色なので夜はアピール系)。沈下速度1m6.6秒。フォール姿勢はフリーフォールで45度のエギになります
最初はボトムまで落としボトム付近をゆっくりただ巻きします。食わせ特化のエギである餌木猿なので、このやり方である程度活性の高い個体がいれば、すぐに反応がります。1~2回投げて反応が無ければ、今度は底付近までエギを落とした後にシャクリを入れフリーフォールでフォールさせアタリを待ちます。レンジは水深2mくらいからボトム付近までを狙います。基本ボトムステイはさせません。ある程度やる気のあるイカであればボトムステイよりフォール中に反応する事が多いからです。シャクリ後のフリーフォールでも2回投げて反応が無ければエギをチェンジしますが、この時点で大きいエギ&非クリア系のエギはマッチしなかったと判断します
二つめに投げるエギはクリア系の2.5号。ナチュラルカラーで非アピール系。沈下速度がフリーフォールで1m2秒&沈下姿勢ほぼ真下に落ちていきます。テンションフォールで1m3秒程度&沈下姿勢は30~45度。カーブフォールでは1m4秒程度&沈下姿勢は0~20度くらい
このエギは本来秋イカの時にシャクりを入れてカーブフォールで誘い釣るのが得意なエギでカーブフォールを掛けてるので、ほぼアタリが取れイカがポイントにいるかサーチするのに向いているので、そのように使ってますが、この時期は異なります。ボトムステイで狙うのがメインとなり、2.5号ですが14gあるので飛距離が出せるのと、沈下速度が早いので最初に投げたゆっくり沈むエギと異なりテキパキ動くので、ボトムまで落としたら2~3回しゃくり、その後フリーフォールで再度底に落としボトムステイでアタリを待ちます
最初に投げたエギ→二つめに投げたエギ |
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非クリア系→クリア系 |
3.5号→2.5号 |
沈下速度遅い→沈下速度早い |
フォールで誘う→ボトムステイで誘う |
最初のエギと二つめのエギで、かなりシフトチェンジさせています。この二個のエギでアタリすら無ければ、ほぼ見込み無しと判断します
少し話しがずれますがエギングにおいて回遊待ちエギングで無ければエギを2個。様々な誘いで反応無ければ、すぐに釣れるイカはいないと判断していいと思います。エギングに限らずルアーフィッシングは投げれば投げる程、釣れる確率が下がると思います。コマセを使う餌釣りなどは、魚を寄せて狙いますがルアーフィッシングは時間経過と共に対象魚がエギ(ルアー)に慣れ(スレ)どんどん釣れにくくなると思ってください。もし粘るのあれば新規で高活性イカの回遊を待つか、居つきのイカの活性が上がる自然現象を待つことになります
イカの活性が上がる自然現象とは潮が動き出す。動いていた潮が止まる。潮流の向きが変わる。潮目&ベイトが入って来る。潮目とベイトに関しては居つきの活性が上がるというより新規の回遊イカが入ることが多いです
話しを戻しますが、もし三つめを投げるのであれば3.5号クリア系。もしくは2号ベイトカラーを使います。このシフトチェンジでイカが釣れる事がたまにあります

状況は9~10月でアオリイカが最も釣れ易い反面、潮通しの良いポイントは5mおきにエギンガーが並び、びゅんびゅん耳障りなシャクリをする輩が多いので私の最も苦手な季節でもあります。また近年は言う程アオリイカが釣れないと言うか需要(イカが釣りたいエギンガー)に供給(エギに反応するアオリイカ)が追いついてない気がします。エリアの水深は5m程度。釣行時間帯は基本夜。稀に朝まずめです
とは言えこの時期エギに反応してくる新子がいれば答えが早いです。最初に投げるのは秋は兎に角強い軍艦グリーンカラーでもある非クリア系の3号。沈下速度が1m3秒。沈下姿勢がフリーフォールで45度です
活性が高いのは浮いてることが多いので最初は表層から3m辺りを狙います。シャクリ後に潮が効いてればフリーフォール、潮がトロければテンションフォール(カーブフォールも有効)。中層で反応無ければ底まで落とし、シャクリ後にフォール&ボトムステイ。フォールの掛け方は中層時と同じです。ある程度活性の高い個体があればこのエギで大抵釣れます。反応無ければ…
二つめはクリア系2.5号。沈下速度1m5秒。沈下姿勢がフリーフォールで45度。先程の3号から2.5号へサイズダウン。アピールの強い非クリア系の赤テープから比較的ナチュラルカラーのクリア系。沈下速度1m3秒から5秒と中~低活性のアオリイカを狙います。狙い方は先程と同じです
この二つで反応が無ければ大抵移動しますが、オプションとして食わせ特化の餌木猿3.5号スーパーシャローやベイトカラーのチラツキイワシ2号を試す事もあります。秋は兎に角ランガンです。一か所で3時間やるより一箇所30~40分。3~4か所廻る方がイカが釣れる確率が高いと思います
最後に

今回はカラー&サイズ選択について話しを進めてきましたが、そこはエギングの本質じゃないと思っています。イカは潮に付く魚種です。すなわち潮のヨレと言うか潮の壁を探し、そこにエギを流す釣りがエギングだと思っています。潮の壁については勝俣優さんと言う方がYouTubeでとても分かりやすい動画が出ているので、そちらを参考にしてください
エギングでイカを釣るのはエギンガーのスキルで無くエギがイカを連れてきてくれると考えています。なので経験値よりイカがいる場所を知っているか。そこにマッチしたエギを選べるかが肝で、それを知っていれば初心者でも簡単に釣果が出せる釣りだと思っています
釣りは自然相手なので思ったような釣果が出ないのが常です。私は仮に釣れなくとも投げているだけで楽しい&これ投げれば何とかなる&これで釣れなきゃ納得来るエギが幾つかあります。そんなエギを所有する事もエギングが楽しめる一つの要因だと思います。参考までに私のお気に入りエギは餌木猿3.5号スーパーシャロー・枯茶、ワイルドチェイス・バニーピーチ3.5号シャローチューン、ティップランナーチビ2.5号マジカルケイムラ、エギ王live2号チラツキイワシです
更新日 2025年3月16日
著者 古田晃広