エギングは底で無くても釣れる
中層エギングの極意
釣れる沈下速度、フォール姿勢

エギングを始めた頃、YouTube等で勉強して独学でやってました。8フィート台のエギングロッド、3000番台のリール、PE0.8号に3~3.5号のエギを買いました
まずは底を取りシャクってアタリを待つ。たまにまぐれで釣れる事はあってもアタリはほぼ取れず、いつのまにか掛かってる感じ。そもそもエギの着底すら分からない。それまではライトタックルでアジングやメバリングなどのライトゲームばかりやっていたので、エギングって何か大味な釣りだなと思ったのが正直な感想でした
秋は人並み、もしくはそれ以下の釣果がありましたが冬になるとほぼ釣れなくなり完全に飽きてしまった私は一度エギングに興味を失います
初夏になりマイエリアの三崎港にケンサキイカが産卵回遊で群れで入るようになります。久々にエギングロッド一式を持って挑戦するも、たまにまぐれで釣れるものの、思うような釣果には恵まれませんでした
ある日、となりで地元のアングラーがばんばんケンサキイカを釣っています。こちらはアタリすら出ないのに…
声を掛けてどうしたら釣れるか尋ねてみます。まずはエギの大きさ。ケンサキイカは2~2.5号のエギが釣れる。3~3.5号でも高活性のイカなら抱くけど基本は反応しない。あとは底でも釣れるけど高活性のイカは浮いてくるから中層狙いがいいよと教えてくれます
その時小さいエギを持って無かったのですが親切な地元の人は、使い古した2号のエギを私に渡し、「それぼろいからあげるよ。でも結構釣れるよ」と言ってくれたのです
元々ライトゲーマだった私は中層を狙う時はカウントを取ればいいですか?と尋ねると、その通りとの答えを貰い、どれくらい沈めるか。エギの沈下速度を聞きました
だいたい2~3m。そのエギは1m沈むのにだいたい5秒だから、12秒くらい沈めたらエギを表層まで戻すのにしゃくって、それを繰り返すと教えてくれました。あとはシャクリはびゅんびゅんシャクるのでは無く、ゆっくりと大きく2~3回。もしくは細かくシェイクするように4~5回シャクる。びゅんびゅんシャクたらイカが散るので止めた方が良い。それはケンサキイカだけでなくアオリイカも一緒と教わりました。その日は2時間弱の釣行で4杯のケンサキイカをゲットしました。1日の最高記録です。地元の人にこの釣りならエギングロッドで無くアジングロッドでも出来るか尋ねると全く問題ない。その人もマックス10gまで投げれないメバリングロッドを使ってるとの事でした。私は次回から9gまでしか投げれないアジングロッドを使い2.5号の時は少しだけ気を付けて投げるようにしました
その年は一ヶ月半程ケンサキイカの最盛期が続きました。2~2.5号のエギだけを使いトータルで50杯程度ケンサキイカを釣ることが出来ました。ほぼ中層での釣果です
8月になるとケンサキイカの回遊はほぼ無くなり釣れなくなります。ですがお盆以降はアオリイカの新子が釣れ始めます。何だかんだ言ってもアオリイカはエギングロッドと思いエギは3~3.5号。まずはボトムから攻めるという当時セオリーだと思ってた所から始めます。しかし釣果は思った程出ません。しかし見えイカはいるのでアオリイカは確実にいるのです
釣果が出ないのでアジングロッド&2~2.5号のエギを使ってやってみようとなります。ケンサキエギングで培ったカウントを取りながら表層から探ってみます。ケンサキイカ程では無い物の確実に釣果はこの装備の方が出るようになりました
あと中層でエギに反応するイカってアタリが大きい事が多いので、しっかりアタリが以前より取れるようになりました。エギングロッドより感度のよいアジングロッドを使ってるせいもあるでしょうが底で乗る時はアジングロッドでもアタリが取れない事が多いので中層のイカは高活性でエギをひったくる感じでアタリが出やすいのだと思います
随分と前置きが長くなりましたが、ここまでが私が中層エギングは釣れると思ったきっかけの話です。ここからは実際に中層で釣れるエギングの特徴などを書いていきます。尚現在の私は7フィート台で3.5号まで投げるけど繊細なエギングロッド。リールとPEラインは1000番にPE0.3号。2500番台にPE0.4号を季節に寄って使い分け、エギは2.5~3.5号をメインにたまに2号を使う感じです
沈下速度について

イカがエギに抱きつくのはフォール中、もしくはボトムステイ中ですが個人的な感覚では8割がフォール中、2割がボトムステイ中と感じています。私のエギングスタイルが中層メインでフォール重視なので、そのような結果になってる事もありますがフォールで毎回ボトムを取らなくてもフォールだけでイカはかなり釣れますし、中層のフォールで抱きつくイカはアタリが分かりやすいのが特徴です
ちなみにアタリについてですが私自身全てアタリが取れている訳ではありません。そのイカの最盛期(アオリなら秋、ケンサキなら初夏)はイカの活性の高いので6割程度。渋い時期は4割程度しかアタリが取れませんし、ラインを張っていればアタリはかなり取れますがフリーフォールの場合は夜エギングがメインなのでしゃくろうと思ったら乗ってた。なんて事がよくあるのでアタリが取れない事は気にする必要はありません
アタリが取りたい為にラインを張ることに注力する人がいますが大事なのはイカを抱かせる事でアタリを取る為ではないと思った方が釣れます。なぜならカーブフォールやテンションフォールでは抱かないイカがフリーフォールでは抱くと言った事が多々ある為です。あと当った時に限って乗らないなんて事も結構あります。おそらく触腕で触った(いわゆるイカパンチ)とか横抱きなんだと思います。ちなみに当たった時に凄く強く合わせる人がいますが折角抱いてるのに身切れするので、やらない方がいいです。当たっても乗らないのは運的要素なので普通に合わせた方がいいです
本題に戻ります。底を取らずフォールで釣るエギングをやっていて気になる点が出てきました。何秒で沈むエギが一番反応が良いかです。という訳で検証しました
検証は一定以上イカが釣れる時期でマイエリアの三崎港は水深は浅い所で4mくらい。深い所で6mくらいなので3mくらいまで沈め、そこから表層までしゃくり、また3m沈める。それを繰り返します
検証は3秒程度で沈むエギ。5秒程度で沈むエギ。7秒程度で沈むエギを使いました。3秒程度で沈むエギは3秒×3mで9秒。5秒程度は5秒×3mで15秒。7秒程度は7秒×3mで21秒でカウントを取り検証しました。フォールはフリーフォール。フォール姿勢45度です
活性の高い時間帯
イカの最盛期
潮通しの良い場所
3秒で沈むエギで40%。5秒が40%。7秒が20%くらいでした。いわゆるイカが釣れ易い状況時は3秒&5秒が強く、7秒は微妙でした。釣れ易い状況時は早めに沈むエギが良さそうです
イカの閑散期
活性の低い時間帯
潮通しの悪い場所
エギンガーだらけでスレてる
マイエリアは2~4月は中々イカが回遊してきませんが、それでも釣れる時は中層が多いです。中層で一番反応が良かったのは5秒で沈むエギ。次が7秒。3秒は微妙でした
夜中などでイカの活性が低い時間帯においては、やる気のあるイカが廻ってくれば正直何でも釣れる感じですが、そうで無い場合は遅めに沈むエギが有利でした。釣れる順番は5秒→7秒→3秒と言った感じです
潮通しが悪い場所は潮がトロい時が多く、やはり遅めが有利です。イカの閑散期と潮トロが重なると7秒で沈むエギが強いです
エギンガーだらけでスレてる時。私が一番苦手な状況です。というのはポイントを攻める時に扇状にキャスト出来ない点やスレてくるとイカが底に沈むことが多いからです。この場合はエギを着底させて狙いますが、フォールで抱いてるのかボトムステイで抱いてるのか判断出来ない為、ノーカウントとさせて貰います
フォール姿勢について
フォールの掛け方での釣果の違いを記載していきます。まずは私の概念としてカーブフォールはシャクリ後にリールをゆっくり巻く、もしくはロッドをさびく動作をカーブフォールとします。カーブフォール中のエギは自分に向かってほぼ水平(0度)でフォールします
テンションフォールはシャクリ後にラインをしっかり張りテンションを掛けます。この時エギのフォール角度はおおよそ30度くらいになるとされています。テンションフォールは少し厄介で自分でテンションを掛けていてもあて潮や潮がトロいとテンションが張りきれず結果フリーフォールと変わらないフォール姿勢になります(45度)。逆に払い潮や早潮だと今度はエギが引っ張られて30度より浅くなるので(0度に近づく)判断が難しいですが、自身で今はテンションフォールしていると認識で話しを進めていきます
フリーフォールは何度か話に出ていますがフォール姿勢は45度です。但し払い潮&早潮の時はラインを送り込むなどして45度になるようにします
カーブフォール時は3秒で沈むエギが一番反応が良かったです。カーブフォールしてる時のエギは人が引っ張っているので当然3秒よりフォールスピードが遅くなっているので実質5秒前後で水平姿勢でフォールしていると思います。また高活性の新子アオリイカはティップラン用のエギ(沈下速度1m1.5~2秒)でカーブフォール掛けてかなり釣れます。この時のフォールスピードは実質3秒程度だと思います
テンションフォール時は潮通しが良い場所&活性の高い時間帯、時期の時は3秒で沈むエギが一番反応が良かったです。この時のエギはテンションを掛けているので実質4~5秒でフォールしてると思います。潮通しが悪い&活性の低い時間帯、時期は5秒のエギが強いです
フリーフォール時は潮通しが良い場所や払い潮&活性の高い時間帯、時期は3秒→5秒→7秒。潮通しが悪い場所やあて潮、潮トロ&活性の低い時間帯、時期は5秒→7秒→3秒と言った感じです
どのフォールが一番釣れるかは正直答えにくいですが何となくフリーフォールが一番釣れるイメージです。カーブフォールやテンションフォールは人の操作が入る為にエギの挙動がイカに不信感を抱かせるかなとも思います。あとはイカにも好みがあって水平気味に海中をフォールするエギに反応する個体。45度でフォールするエギに反応する個体と言った感じで群れで入っていても反応は様々です。個人的にカーブフォール&テンションフォールは釣れ易い状況で有利。フリーフォールは釣れにくい状況で有利と言う認識を持っています
アタリが取りやすいのはカーブフォール→テンションフォール→フリーフォールの順番になります。カーブフォールとテンションフォールはアタリが取りやすいですがフリーフォールは夜などは特にいつのまにか乗っている事が多いです
フォールについてはまた別の機会の更に詳しく説明出来ればと思います
最後に

底を取らず中層でイカは釣れるという体で話しを進めてきましたが中層のエギングだけで成立するかと言うと、そうは思いません
ボトムステイしたエギにしか反応しないイカは存在するし、底を意識しながらやらないと精度の低い中層エギングになってしまいます
まずは水深が何メートルあるかは必ず確認してください。私は比重のあるティップラン用エギで水深を計ります。1m2秒程度で沈むエギを使うと着底が分かりやすいです。カウントを取って10秒で着底すれば水深は5m程度となります。ティップラン用エギで無くとも3号、3.5号のベーシックタイプ(1m3秒で沈むタイプ)に5gのシンカーをつけると、おおよそ1m2秒で沈むようになるので試してください
底を意識する事で中層エギングの精度があがります。例えば水深5mの場所だった場合、高活性のイカは真ん中より少し上にいる事が多く、表層から2.5mでフォールさせればヒット率が上がります
然程活性の高くないイカは真ん中より下、底より少し上にいる事が多く、その場合は水深2.5m~4.5mくらいをフォールさせヒット率を上げていく感じです
中層フォールでどうにもならない場合はシャクリ+フォール+ボトムステイの釣りやボトムずる引きを試してみてください
私の場合はレアなエギを使う事が多く、餌木猿やワイルドチェイスのレアカラーを使う際は中層専用にしています。ですが絶対に底を取らないでは無く、フォール中に瞬間的にボトムにタッチする事はあると思います。そのやり方であっても根掛かり多発地帯で無ければ、ほぼ根掛かりロストはしません
ボトムステイやボトムずる引きをする時はロストしても精神的ダメージの少ないエギを使用しています(笑)
エギング=必ず着底で無く、中層もしっかり攻める事で釣果が上がり、またエギのロストが極めて低くなります。エギは必ず着底させましょうの文化は一説にはエギメーカーの陰謀とも言われています。メーカーはどんどんロストして新しいエギを買って欲しいからです(苦笑)
私自身、水温が高い時期は7~8割が中層。2~3割がボトム。低水温時は6割中層。4割ボトムと言った感じの割合でやっています。参考までに中層エギングで反応がない時は底に落としても大抵釣れません。そういう時はポイントにイカがいない。もしくはイカの活性が極めて低い&攻め方が間違っている=自分に釣れるイカはいないと諦め、移動するなり諦める方がよいです。10時間粘っても釣れない時は釣れないし、釣れる時は一投目から釣れます
更新日 2025年2月13日
著者 古田晃広