海釣り&エギングガイド

エギング・秋イカは簡単に釣れるとは限らない

エギング・秋イカは簡単に釣れるとは限らない

 

三崎港・城ヶ島(三浦半島)で年間250~300回エギングを行う管理人が、秋イカと言えど簡単に釣れない理由と、釣るための考えを詳しく解説します

 
近年、アオリイカを釣るのが以前と比べると難しくなってきています(地域差あり)。イカは減少傾向と言われている一方で、反比例するようにエギング人口が増えているのも1つの要因です。地元では「秋に7~8回来たけど1杯も釣れず、アタリすら無かった」という話を聞きます。では、比較的簡単とされる秋イカがなぜ釣れにくいのか。それには様々な要因があります
 


なぜ釣れない?

 

人気エリアに人が集中

 
毎秋、神奈川のエギング聖地と言われる三崎港・城ヶ島エリアには、県内外から大勢のエギンガーが訪れます。平日の夜中でさえ実績ポイントでは5mおきにエギンガーが並ぶような状況になり、秋のハイシーズンともなれば、1つの回遊コースへ何人ものエギンガーが絶えずエギを投げ続けます
 
こうなると、回遊してきた秋イカが最初からフレッシュな状態とは限りません。1人の前を通過するまでに何本ものエギを見ていれば、秋イカでも警戒して追わなくなったり、追っても一定の距離から近づかなかったり、フォールを見ても抱かなかったりします。秋は簡単と言われますが、人が集中する人気エリアでは、その「釣りやすいはずの秋イカ」を大勢で同時に狙っているため、場所によっては春並みに釣りにくいと感じることすらあります
 

人気エリアに人が集中を解説したイラスト

 

対処法

 
人気の場所だから釣れやすいわけではなく、人が多すぎればそれだけ1杯を釣るハードルは上がります。近年の神奈川で言えば、秋イカは三崎港・城ヶ島だけではなく、横須賀、葉山、横浜エリアの方がコンスタントに釣れる傾向が強く、有名だからという理由だけでポイントは選びません
 
特に秋は「イカが多い場所」だけではなく、「まだエギを大量に見せられていないイカがいる場所」を探した方が結果につながることがあります。誰もいない場所を見て釣れないと判断するのではなく、人が少ないからこそ狙う価値があると考えるくらいでちょうどよく、実績ポイントへ入れなかった時ほど別の場所を探した方があっさり釣れることがあります
 


セオリーが通用しにくくなっている

 
秋のエギングと言えば3号のベーシックタイプを使い、少し強めにシャクってアピールする釣り方が定番です。この釣り方自体は間違いではありませんが、人気ポイントで周囲のエギンガー全員が3号前後を投げ、同じようにシャクって同じようにフォールさせていれば、結局は似た動きのエギが次々とイカの前を通ることになります
 
全員が同じセオリーを繰り返している状況では、最初に回遊してきたイカの前へエギを通せた人が釣るだけの運ゲーになります。秋だから3号、秋だから強くシャクると決めつけてしまうと、周囲とまったく同じ釣りを続けることになり、スレた個体へ違うアプローチをする事ができません
 

セオリーが通用しにくくなっているを解説したイラスト

 

対処法

 
あえて2.5号や3号シャローなど、ベーシックタイプよりゆっくり沈むエギを使います。状況によっては2号まで落とし、周囲がYouTube動画で見るような激しくシャクっているなら自分は激しくシャクらず、1~3回だけ大きく、ゆっくり動かして長くフォールさせたり、ただ巻きで一定のレンジを通したりします
 
重要なのは「小さいエギを使えば釣れる」という話ではなく、周囲と同じことをしないことです。全員が速いフォールなら遅くする、全員が大きくシャクるなら動かさない、全員が3号なら2.5号や2号を入れる。同じ場所に10人並んでいるなら、11人目まで同じ釣りをする必要はありません
 


イカのアタリが取れてない可能性

 
「今日はアタリすら無かった」と思っていても、本当に1度もエギへ触られていないとは限りません。アオリイカのアタリは毎回ロッドを引ったくるように出るわけではなく、フォール中に小さくティップが入る、テンションが抜けるなど、わずかな違和感だけ出ることがあります
 
シビア(センシティブ)なアオリイカは、誰でも分かるアタリが出ないことが多々あります。日中ならラインが不自然に止まったり横へ動いたりする変化を目で追えますが、まずめや夜はそれが難しくなり、実際には触られているのに何も起きなかったと思って回収している可能性があります
 

イカのアタリが取れてない可能性を解説したイラスト

 

対処法

自分も経験があるのですが、感度があまりよくないロッドでは小さいアタリを取りにくいです。日中でラインが見える状況ならラインの変化で取れますが、アオリイカはまずめや夜など、ラインを目で追いにくい時間帯でもよく釣れるため、手元やティップに伝わる小さな違和感を拾えるかどうかで釣果が変わります
 
だったら高感度のロッドを使い、小さなアタリを感じて自分から掛けにいくのも1つの必勝法です。「アタリが無いからイカがいない」と決めつける前に、本当にアタリが無いのか、それとも自分が取れていないだけなのかを考えるだけでも、秋イカの釣り方は変わってきます
 


エギンガーが並ぶポイントが釣れるは錯覚!?

 
アクセスがよく、近くに車を停められ、潮通しもよいポイントには自然とエギンガーが集まります。そこで大勢が竿を出し、足元に墨跡まで残っていれば「みんながやっている=釣れる」「墨跡が多い=ここが1番釣れる」と考えたくなりますが、これはかなり錯覚です
 
宝くじ売り場と同じで、販売数が圧倒的に多ければ当たりの本数も増えます。しかし、それだけで1枚あたりの当選確率まで高いとは限りません。エギングも、1日100人が入るポイントなら釣果報告も墨跡も増えて当然ですが、1人あたりの釣れる確率まで高いとは限らず、むしろ朝から晩までエギを投げ込まれることでスレやすくなり、見た目の実績とは反対に難しいポイントになっていることがあります
 
墨跡も「そこで釣れた時があった」という事実であって、今そこにアオリイカがいる証明ではありません。大量の墨跡を見て1か所へ固執するより、その時間にイカが入っている場所を探した方が秋イカでは結果につながることがあります
 

対処法

 
秋イカは基本的にかなり色々な場所に入ります。水深20cm程度しかない浅場、河口周辺、潮通しが悪く見える場所、港内の奥、誰もエギングをしていない小場所にも普通に入り、「こんな所にいるわけがない」と思っていた場所で釣れる事が多々あります
 
むしろ誰もエギを投げていない場所なら、そこにいるイカもエギを見せられていません。人気ポイントで何十本ものエギを見た個体を攻略するより、誰も狙っていない浅場にいる個体の方が素直に抱くことがあります。秋は一級ポイントだけを回るのではなく、エギンガーが素通りする場所まで探すことで釣れる場所の選択肢が一気に増えます
 


秋前半と秋後半では同じ釣り方が通用しない

 
秋イカと一言で言っても、シーズン中はアオリイカが成長します。秋前半は小型の新子が浅場へ入ることが多く、2.5号から3号程度のエギでテンポよく探りやすい時期です
 
ところが秋が進むにつれてサイズが上がり、浅場だけではなく水深のある場所や潮が効く場所を利用する個体が増えてきます。水温が下がれば、夜間やまずめだけ浅場へ差し、日中は深い場所へ落ちるような動きも考える必要があります
 
秋前半に港内の足元で数釣りできたからといって、晩秋まで同じ場所だけを狙っていれば釣れ続けるとは限りません。秋後半になって急に釣れなくなった時は、「イカがいなくなった」と決める前に、水深と回遊コースを変えて探します
 
エギも2.5号だけではなく、3号、3.5号まで視野に入ります。大きなエギは飛距離を出しやすく、深場を探りやすいため、成長した秋イカを広く探す時には小型エギより使いやすい場面があります
 


見えイカは見えているから簡単とは限らない

 
秋のエギングでは、足元や港内にアオリイカの姿が見えることがあります。これを見ると簡単に釣れそうですが、見えイカほど難しいこともあります
 
活性が高い個体なら着水したエギへすぐ向かってきます。しかし一度追って離れた個体へ何度も同じエギを通すと、追尾する距離が少しずつ短くなり、最後は完全に無視することがあります
 
群れを見つけた時も、群れの中心へ直接エギを落とすのが必ず正解とは限りません。着水音で群れが散ったり、一斉に距離を取ったりすることがあります。少し離れた場所へ投げ、活性が高い個体だけを群れから引き出す方が簡単に抱く場合があります
 
追ってきても抱かないなら、シャクリの回数を減らす、フォール速度を遅くする、エギを小さくする、逆に大きくする、カラーを変える、ただ巻きを入れるなど、何か1つ変えます
 
何度も同じ動きを見せ続けるより、反応が悪化する前に条件を変えた方が釣りやすくなります
 


ファーストキャストを雑にしない

 
秋イカでは最初の1投がかなり重要です。誰もエギを投げていない場所へ入った時、最初に見せるエギに対して最も素直に反応する個体がいるからです
 
そこで足元まで無警戒に近付き、イカの真上へエギを落とし、大きな着水音を出してから強くシャクると、最も釣りやすかった個体を自分で警戒させることがあります
 
新しいポイントへ入ったら、いきなり正面へ遠投するだけではなく、まず足元、左右の岸際、沈み根周辺など近距離から確認します。特に秋は浅い場所へイカが入っているため、自分が立っているすぐ近くにいることもあります
 
見えイカの群れを発見した場合も同じです。群れの真ん中へ投げるのではなく、進行方向や少し外側へエギを入れ、自然に視界へ入れる方が警戒させにくくなります
 


潮が動かなければ簡単な秋イカも難しくなる

 
秋イカが多いポイントでも、いつ投げても同じように釣れるわけではありません。潮がほとんど動かない時間帯には、ベイトの動きも鈍くなり、アオリイカの回遊が止まることがあります
 
逆に潮が動き始めると、それまで何十分投げても反応がなかった場所で急に連続して釣れることがあります。エギのカラーだけが原因ではなく、イカそのものがポイントへ入ってくる時間が変わっている可能性があります
 
潮が流れている時は、正面だけではなく流れの上流側へ投げ、エギを流しながらレンジを入れる方法も有効です。毎回同じ場所へキャストするより、潮に乗せてエギの通るコースを変えた方が回遊しているイカへ当たりやすくなります
 
潮が速い時にシャロータイプを使えば沈み切らず、反対に流れの無い浅場で沈下速度の速いエギを使えばすぐ底へ着いてしまいます。エギのタイプは水深だけではなく潮の速さまで含めて決めます
 


風が強い日はエギよりラインを見直す

 
風が強い日に釣れないと、エギのカラーやサイズを交換し続けてしまうことがあります。しかし横風でPEラインが大きく膨らんでいる状態では、そもそもエギを狙ったレンジへ入れられていない可能性があります
 
ラインが風に押されれば、エギは自分が想像している場所とは違う方向へ引っ張られます。フォールしているつもりでも横方向へ移動し、イカがいるレンジから外れていることがあります
 
秋イカでは小型エギやシャロータイプも使いますが、軽くて沈下速度の遅いエギほど強風時には扱いにくくなります。風が強ければ、あえて重量のある3号や3.5号へ上げ、ラインを水面近くへ置きやすくする方が釣りやすいことがあります
 
風に対して真正面または背中を向けられる立ち位置へ移動するだけでも、同じエギの操作感は大きく変わります。釣れない時にエギだけを疑わず、自分がエギをまともに操作できる場所に立っているかを見ることも重要です
 


1杯釣れた場所で粘り過ぎない

 
秋は群れで回遊していることがあり、1杯釣れると続けて2杯、3杯と出ることがあります。しかし毎回そうなるわけではありません
 
最初の1杯を掛けたことで群れが沈んだり、移動したりすることがあります。同じ場所へ何度投げても反応が無くなったなら、そこに固執せず少し立ち位置を変えます
 
特に人気ポイントでは、1杯出たことを見た周囲のエギンガーが一斉に同じ方向へ投げることがあります。そうなれば短時間で多くのエギが入るため、続けて釣る難易度が上がります
 
数釣りを狙うなら、1か所から無理に何杯も抜こうとするより、反応の良い個体だけを拾いながら移動する方が効率がよい日があります
 


秋イカは簡単ではないが釣り方を覚えやすい

 
秋は春よりアオリイカとの遭遇回数を増やしやすく、エギングを覚えるにはよい季節です。ただし、それを「何をやっても釣れる季節」と考えると、実際の釣果との差が大きくなります
 
秋イカの利点は、浅場でイカを目視できる機会が多いことです。エギをシャクった時に近付いたのか離れたのか、フォールで抱いたのか、速く沈めた時に嫌がったのか、ただ巻きへ反応したのかを目で確認できます
 
これを繰り返せば、ただ釣れた1杯より多くのことが分かります。釣れない見えイカへ同じエギを延々投げ続けるのではなく、反応を見ながら1つずつ条件を変えることで、他のポイントでも応用できるようになります
 
秋イカで重要なのは「簡単だから釣る」ことではなく、イカの反応を見て次の1投を変えることです
 
 

秋イカを釣るために考えること

 
秋イカを狙う時にエギのカラーだけを考える必要はありません。まず見るのは、人の多さ、潮の動き、風向き、水深、ベイト、イカが入りそうな地形です
 
人が多過ぎれば移動します。潮が動かなければ回遊待ちだけにせず別の場所を探します。浅ければシャロータイプ、深ければベーシックや重量のあるエギを使います。追うのに抱かなければフォールを変え、強いシャクリで離れるなら動きを弱くします
 
2.5号が正解の日もあれば3.5号が正解の日もあります。派手なダートが効く日もあれば、ただ巻きやほとんど動かさないフォールが効く日もあります
 
秋イカだからこうすると決めるのではなく、その場のアオリイカが何に反応しているかを見ることが釣果につながります
 
三崎港や城ヶ島のような有名ポイントだけを追い続ける必要もありません。人が投げない小場所、浅場、港内の奥、潮が緩い場所まで探せば、まだエギを見慣れていない個体へ出会えることがあります
 
秋イカは春イカよりチャンスが多い。それでも、秋だから簡単に釣れるわけではありません。イカの数だけではなく、人の数、プレッシャー、潮、風、水深、レンジ、エギの沈下速度、アクションまで合わせて初めて釣れる1杯があります