三崎港・城ヶ島(三浦半島)で年間250~300回エギングを行う管理人がアオリーQ 大分布巻についてインプレッションします
アオリーQ 大分布巻は、近年多い左右へ鋭く飛ばすダート系とは動きの方向が違うエギです。シャクリを入れると左右へ首を振りながら斜め上へ跳ね上がり、レンジを上げた後のフォールでアオリイカに抱かせる時間を作ります。横方向へ何mも移動させて広範囲を探すより、沈み根、かけ上がり、藻場の切れ目、潮のヨレなど、アオリイカが付いていそうな場所の近くでエギを上下させる釣りに向いています
3.0号は16g・沈下速度約3.1秒/m、3.5号は19g・約3.2秒/mです。3.0号と3.5号で沈下速度がほとんど変わらず、3.0号だからゆっくり沈むという設定ではありません。3.0号は小さめのシルエットで速くレンジへ入り、3.5号は19gの重量と大きなシルエットを生かして大型アオリイカ、水深、潮流へ対応しやすくなっています
アオリーQ 大分布巻を使う時に重要なのは、シャクリの回数を増やすことではなく、シャクリで上へ持ち上げた後にフォール時間を作ることです。2~3回大きくシャクってレンジを上げ、エギを沈ませ、再び2~3回シャクる。この繰り返しで縦方向へ長く見せられるため、横ダート系とは釣りのテンポそのものが違います
アオリーQ 大分布巻はどんなエギなのか
アオリーQ 大分布巻は、初代アオリーQが持っていたボディバランスと動きを受け継いだ復刻タイプです。アオリーQは、同じ製品でも浮力差が出やすかった従来素材からABSボディへ移行し、個体差を抑えながら安定した浮力と沈下姿勢を作る考え方で生まれました。大分布巻にもこの高バランス設計が使われ、アクション後の沈下姿勢が大きな特徴になっています
近年のエギでは、強いダート、飛距離、ラトル、重心移動、スローシンキングなど、それぞれの性能を分かりやすく特化させたタイプが増えています。大分布巻はその方向とは違い、エギ全体のバランスと沈下姿勢を使って釣る性格が強く、シャクリだけを見れば派手ではありません。水中では斜め上へ跳ね上がった後に安定した姿勢へ移り、アオリイカが追い付いて抱ける時間を作れます
ラインアイにはローリングスイベルアイが使われ、縦アイと横アイの双方へ対応しながら糸ヨレを抑える構造になっています。頭部にはグローアイがあり、暗いレンジでも目の部分で存在感を出せます。ボディ全体だけで釣るのではなく、姿勢、アイ、カラーを含めた昔ながらのアオリーQらしい設計が残されています
最大の特徴は縦方向へ跳ね上がるアクション
アオリーQ 大分布巻の一番大きな特徴は、シャクリを入れた時に横へ大きく飛ばず、斜め上方向へ跳ねることです。左右へ首は振るため全くダートしないわけではありませんが、通常のダート系のように1回ごとに左右へ大きく移動するのではなく、首を振りながら上へ上がっていきます
この違いは、沈み根を狙うと分かりやすくなります。横へ大きくダートするエギでは、沈み根の上で数回シャクるだけで根から離れてしまいます。大分布巻なら根の周辺でエギを上へ持ち上げ、そこから再び沈ませられるため、同じ沈み根の上や際へ長い時間エギを残せます
かけ上がりも同じです。ボトムから斜め上へ持ち上げ、再びフォールさせることで、アオリイカが付いている水深を上下方向へ何度も通せます。横方向へ大きく移動させないため、一度反応が出た場所を細かく狙い直す時にも使いやすい動きです
藻場では、海藻の切れ目やポケットの上へ落とし、2~3回のシャクリで上へ抜き、再び空いている場所へ落とす使い方ができます。大きく横へ飛ばすよりコースを外しにくく、春の大型アオリイカが藻場の周辺にいる時にも縦方向の動きを使いやすくなります
アオリーQ 大分布巻は釣れる?釣れない?
アオリーQ 大分布巻は、シャクリで追わせてフォールで抱かせる釣りに強いエギです。特に水深があり、アオリイカがボトム、中層、沈み根、藻場、潮のヨレなど一定の場所へ付いている時は、横へ移動させ過ぎずに何度もフォールを入れられます
水深5~10mほどある場所では、大分布巻の縦方向の動きを使いやすくなります。ボトムからエギを数m上げても、その下にはまだ十分な水深が残るため、長いフォールを入れられます。反対に水深1~2m程度のシャローでは、数回シャクっただけで表層へ近づくため、横方向へ飛ばして広く探れるダート系の方が使いやすい場面があります
釣れないと感じやすいのは、大分布巻を普通のダート系と同じテンポで何度もシャクり続けた時です。シャクリ回数を増やせばエギは上へ上がりますが、その分だけアオリイカが抱くフォール時間が短くなります。アオリーQ 大分布巻は「どれだけ激しく動かしたか」より「動かした後にどれだけフォールさせたか」が重要です
高活性なアオリイカが広範囲へ散っている時は、横ダートで探す方が早いことがあります。一方で、1杯が沈み根や藻場の周辺から動かない時、何度も同じ場所へエギを入れたい時、深いレンジでフォールを長く見せたい時は、大分布巻の動きが使いやすくなります
シャクリ方は一般的なダート系と少し違う
アオリーQ 大分布巻は1回のシャクリでも斜め上方向へレンジを上げやすいため、シャクリを何回も続けるのではなく、「持ち上げる→フォールで戻す」を1セットとして使います。左右へ激しく飛ばすためのショートジャークを連続させるより、1回ごとのシャクリでエギを持ち上げ、その後にアオリイカが抱けるフォールを入れることが重要です
1秒に1回程度というテンポは、あくまで1セットの中でシャクリを入れる間隔の目安です。1秒ごとに2~3回シャクる動作を休みなく繰り返すわけではありません。1~3回程度シャクったら一度止め、狙っているレンジまで十分にフォールさせてから次のシャクリへ移ります。シャクリで上がった分をフォールで戻さなければ、エギはセットを重ねるたびに上ずってしまいます
水深2~3m程度の浅場なら、1回大きくシャクっただけでも十分にレンジが上がるため、そのままフォールへ移す使い方ができます。水深5~10mほどあり、ボトムから中層までしっかり見せたい場所では2~3回シャクって高さを出し、その後は数秒から十数秒かけて狙うレンジまで沈ませます。水深が深いから毎回3回シャクるのではなく、アオリイカをどのレンジまで追わせたいかによって持ち上げる高さを変えます
ボトム付近を重点的に狙うなら、シャクリを1~2回に抑えて大きく浮かせ過ぎず、フォールで再び低いレンジへ戻します。中層まで追わせたい時は2~3回で高さを出し、その後のフォールを長く取ります。アタリが出なければシャクリ回数だけを増やすのではなく、フォールを開始する水深、沈ませる時間、次にシャクる位置を変えた方がレンジを保ちやすくなります
大分布巻ではシャクリとシャクリの間に入るフォールが釣る時間です。シャクる回数そのものを基準にするより、「どこから持ち上げ、どこまで沈め直すか」を決めて使う方が、このエギの縦方向へ跳ね上がる性格を生かせます
フォール時間を長く作れることが強み
横方向へ大きくダートするエギは、数回シャクるとキャスト地点から手前へ進みながら左右へ広く動きます。大分布巻は上方向への移動が大きいため、同じ場所でレンジを上げ、その高さを次のフォール距離として使えます
3.5号は約3.2秒/mなので、5mのフォールなら単純計算で約16秒です。3.0号は約3.1秒/mなので同じ5mなら約15.5秒になります。潮、風、ライン角度で実際の時間は変わりますが、シャクリで数m上げれば、それだけ長い時間アオリイカへ沈下姿勢を見せられます
フリーフォールを使う場合は、余分なラインを出してエギを自然に沈ませます。エギが上へ跳ねた後にラインで強く引っ張ると手前へ寄り、縦方向へ稼いだ高さを十分に使えません。風が弱い時や潮が素直な時はフリーフォールを入れ、ラインの止まり方、走り方、急な張り方を見ます
風や横流れが強くラインが大きく膨らむ時は、軽くテンションを掛けた方がエギの位置を把握しやすくなります。ただし完全に張り切るのではなく、フォールを邪魔しない程度に余分なラインだけを回収すると、縦方向の誘いを維持しやすくなります
水深5~10mで使いやすい
大分布巻が使いやすいのは、シャクリでエギを持ち上げても、その後に十分なフォール距離が残る場所です。水深5~10m程度なら、ボトムから数m上げた後でも再び長く沈ませることができ、縦方向のアクションとフォールの両方を使えます
港なら船道、岸壁際、港口、沖の捨て石より先の深い場所。磯なら沖の沈み根、水道部、足元から急に落ちる場所、潮が当たる岬の先端などで使いやすくなります。大分布巻は遠投だけを目的にするより、届いた先に十分な水深があり、そこで上下方向へ誘える場所で特徴を出しやすいエギです
水深が浅い場所でも使えますが、シャクリ回数を減らす必要があります。水深2~3mなら1~2回シャクってフォールへ移し、表層まで上げ切らないようにします。シャローで3回、4回と大きくシャクればすぐに水面近くまで上がるため、大分布巻の長いフォールを作りにくくなります
潮が動いている場所で使いやすい
アオリーQ 大分布巻は、真下へ沈ませるだけでなく、潮へ入れてフォールさせる使い方もできます。高バランスボディによる沈下姿勢を使いながら、潮が動く磯や堤防で流れの筋を通す釣りと相性があります
右から左へ潮が流れているなら、潮上へキャストして狙いたい水深まで落とし、2~3回シャクった後に再び潮へ乗せます。沈み根の潮下側、潮目の内側、ヨレなどにアオリイカが付いている時は、同じ流れの中へエギを長く残せます
潮が強くなるとラインが引かれ、フォール中のエギも横方向へ移動します。この時にラインを張り過ぎるとさらに手前へ寄るため、余分な糸だけ回収しながらフォールさせます。3.0号も16g・約3.1秒/mなので、小さなシルエットのまま速めにレンジへ入れたい場面で使いやすい設定です
通常のアオリーQとの違い
通常のアオリーQは、クイックダートと安定したフォールを組み合わせたエギです。3.0号は14.5g・約3.7秒/m、3.5号は19g・約3.2秒/m。大分布巻は3.0号16g・約3.1秒/m、3.5号19g・約3.2秒/mとなっています
3.5号は重量も沈下速度も同じなので、フォール速度を大きく変えずにアクションの方向を変えられます。通常アオリーQ3.5号で横方向へクイックダートさせた後、大分布巻3.5号へ変えれば、同じ約3.2秒/mの沈下速度を維持しながら縦方向の跳ね上げへ切り替えられます
3.0号は性格がさらに違います。通常アオリーQ3.0号より大分布巻3.0号の方が1.5g重く、沈下速度も約0.6秒/m速くなっています。浅い場所で3号をゆっくり見せたいなら通常アオリーQ、水深や潮流があり、小さな3号を速く入れたいなら大分布巻という使い分けができます
横方向へ広く探したい時は通常アオリーQ、同じ沈み根やブレイクの上でエギを上下させたい時は大分布巻。この違いを意識すると、似た名前でも役割が重なりにくくなります
3.0号と3.5号は沈下速度がほとんど同じ
3.0号は16g・約3.1秒/m、3.5号は19g・約3.2秒/mです。沈下速度差は約0.1秒/mしかなく、5m沈ませても単純計算では約0.5秒しか変わりません。3.0号へ落としたからフォールが大幅に遅くなるわけではなく、3.5号へ上げたから急激に速く沈むわけでもありません
使い分けで大きいのはシルエットと重量です。3.0号は小さなボディでアオリイカへ見せられ、3.5号は3g重く、風や潮のある場所でもロッドへエギの存在を感じやすくなります。沈下速度をほとんど変えずにエギの大きさを変えられることが、大分布巻の3.0号と3.5号をローテーションするメリットです
3.0号
3.0号は16g・約3.1秒/mで、秋にアオリイカがある程度成長した頃から使いやすくなります。3号としてはしっかり重量があり、水深のある港、磯、沖の沈み根、潮が流れる場所でもレンジへ入れやすいサイズです
3.5号ではシルエットが大きい時のサイズダウンにも使えます。3.5号を追ってくるものの途中で離れる、足元まで来ても抱かない、フォール中に一定の距離を取る場合は、3.0号へ落として同じ縦方向の誘いを続けられます
3.5号と沈下速度がほとんど同じなので、サイズダウンしてもフォールテンポが大きく変わりません。3.5号で反応したレンジへ3.0号を同じ感覚で入れながら、シルエットだけ小さくする使い方ができます
3.5号
3.5号は19g・約3.2秒/mで、大型アオリイカ、水深のある堤防、磯、潮が流れる場所で使いやすいサイズです。3.0号より重量があるため、風や潮の中でも操作感を得やすく、沖の沈み根や深いかけ上がりでもエギの位置を把握しやすくなります
春の大型アオリイカを狙う場合は3.5号を基準にしやすく、藻場の切れ目、沖の沈み根、深いかけ上がりなどで縦方向へ何度も誘えます。大きなシルエットでアオリイカに存在を見せ、2~3回のシャクリでレンジを上げてフォールさせる使い方と相性が良いサイズです
秋でも水深が深い、潮が速い、アオリイカが十分成長している場合は3.5号を使えます。季節だけで3.0号と3.5号を固定せず、イカのサイズ、水深、潮、風で変更した方が使いやすくなります
おすすめカラー
アオリーQ 大分布巻を3色に絞るなら、スーパーブルーマリン、NFRジオブラウン、ムカシーノレッドが使い分けやすい組み合わせです。日中の澄み潮、磯・藻場やローライト、夜という条件を3色で分けられるため、似た役割のカラーを何本も持つ必要がありません
8色すべてを揃えるより、最初は時間帯と潮色が重ならない3色を持った方がローテーションしやすくなります。日中はスーパーブルーマリン、朝夕や曇天、磯・藻場ではNFRジオブラウン、夜はムカシーノレッドという分け方なら、1日のエギングでも役割がはっきりします
スーパーブルーマリン
スーパーブルーマリンは、日中の澄み潮で使いたいカラーです。青系のカラーリングとマーブル下地にスーパーブルー夜光ボディを組み合わせ、透明度が高い海で使いやすい性格になっています。DUELでも日中のすみ潮に適したカラーとして設定されています
三崎港や城ヶ島でも、日が上がって水色が青く澄んだ時は、オレンジやピンクのような強いカラーより青系を使いたくなる場面があります。アオリイカがエギを長く見られる澄み潮では、派手に目立たせ続けるより、水色へある程度馴染ませながらフォールさせる使い方ができます
大分布巻はフォール時間を長く取ることが多いため、デイゲームの澄み潮用カラーを1色持つならスーパーブルーマリンを使いやすくなります
NFRジオブラウン
NFRジオブラウンは、磯、藻場、ローライトで使いたいカラーです。ブラウン系の外観にネオンフラッシュレッドと紫外線発色を組み合わせ、藻場や磯場への適性と低光量時のアピールを持たせています
大分布巻は沈み根や藻場の周辺で縦方向へ誘う使い方と相性が良いため、カラーの性格とエギそのものの得意な場所が合っています。春に海藻の切れ目を狙う時、磯の沈み根を狙う時、朝夕や曇天で光量が落ちた時にも使いやすくなります
日中専用でも夜専用でもないため、朝から夕方まで長く使えるカラーでもあります。スーパーブルーマリンでは弱いと感じる曇天や、水色が少し暗く見える時にも交換しやすい1色です
ムカシーノレッド
ムカシーノレッドは、夜に使いたいカラーです。無発光ボディ、レッド下地、赤バック、縞模様を組み合わせており、夜や低光量に強い性格になっています。発光で強く目立たせるのではなく、赤系の下地とシルエットを使えることが特徴です
夜だから毎回夜光を強く発光させる必要はありません。常夜灯がない場所、月明かりが弱い夜、深いレンジを狙う時など、発光系とは違う見せ方をしたい場面でムカシーノレッドを使えます
大分布巻の長いフォールを夜に使う場合にも合わせやすく、シャクリでエギを見せた後、暗いレンジへゆっくり落としてアオリイカに追わせる使い方ができます。夜用を1色に絞るなら、他2色とは役割が重ならないムカシーノレッドが使いやすいカラーです
アオリーQ 大分布巻が向かない場面
水深の浅いシャローを短時間で広く探るなら、横方向へ鋭く飛ぶダート系の方が効率的です。大分布巻は上へ跳ね上がるため、浅い場所で何度もシャクるとすぐに表層へ近づき、長いフォールを作れません
反対に、水深があり、アオリイカが付いている場所がある程度絞れていて、同じ場所へ何度もフォールを入れたい時は大分布巻の出番です。横へ広く飛ばすエギとは違うため、ダート系で反応しないアオリイカへ動きの方向そのものを変えられます
シャクリそのものに強い刺激を求めるより、縦方向へエギを持ち上げ、沈下姿勢を長く見せることが必要な場面で使う方が、大分布巻の性格を生かせます
3.0号→3.5号の使い分け
最初に3.0号を使うなら、小さなシルエットを使いたい時、水深が中程度の場所、秋の中型アオリイカ、3.5号を追っても抱かない時が目安になります。16g・約3.1秒/mなので、3号でも沈下が遅過ぎず、縦方向の釣りをしっかり成立させられます
3.5号へ上げるのは、アオリイカが大きい、水深が深い、潮が強い、風の影響を受ける、大きなシルエットで存在を見せたい時です。沈下速度は3.0号とほぼ同じなので、フォールスピードを大きく変えず、ボディサイズと重量を上げられます
3.5号で追わせ、抱かない時に3.0号へ落とす。3.0号では潮や風の影響を受けて操作しにくい時に3.5号へ上げる。このローテーションなら、縦方向へ跳ね上げてフォールで抱かせる大分布巻の動きを維持したまま、シルエットと操作感を変えられます
アオリーQ 大分布巻は、昔のアオリーQを懐かしむためだけのエギではありません。横方向へ大きく飛ぶエギが増えた中で、斜め上へレンジを上げ、同じ場所へ長いフォールを入れられることに現在でも明確な使い道があります。水深のある堤防や磯、沈み根、藻場、潮のヨレでフォールを長く見せたい時に、通常のダート系とは違う動きでアオリイカを狙えるエギです
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